(書斎の窓)『大坂の陣 豊臣方人物事典』

『大坂の陣 豊臣方人物事典』 『大坂の陣 豊臣方人物事典』

宮帯出版社から刊行された『大坂の陣 豊臣方人物事典』は、大坂冬の陣・夏の陣で大坂城に群集した家臣、古参・新参の諸士、女房たち1113人を史料に基づき収録した、豊臣方では初の人物事典で、北川央・大阪城天守閣館長の監修の下、史料に基づき一人ひとりの人物が詳述されています。

『大坂の陣 豊臣方人物事典』 『大坂の陣 豊臣方人物事典』

『大坂の陣 豊臣方人物事典』
以下、目次を掲載―
  • 秀吉没後の豊臣家と大坂の陣(北川央)
  • 大坂城中の五人衆
  • 大坂の陣 豊臣方人物
  • 大坂の陣 豊臣方人物(女房衆)
  • 巻末付録/付録(下記参照)
本書の特徴は、
  • 大坂冬の陣・夏の陣で豊臣方に加勢した家臣、古参・新参の諸士、女房たち1000名以上を収録した初の人物事典。
  • 本書に収録した人物の記述はすべて史料に基づくもので、その出典がもれなく明記されている。
  • 開きやすさと堅牢性を兼ね備えた製本方法を採用。当該ページを開いたままにしておける。
  • 付録も充実!
    1. 「豊臣秀頼御上洛之次第」に記載された豊臣家の家臣団のリスト(翻刻)
    2. 「慶長十六年禁裏普請帳」における「大坂衆」
    3. 大坂七組
    4. 大坂籠城中の軍職等
    5. 大坂籠城諸士・女房らの相関図
    6. 重要文化財『大坂夏の陣図屏風』(右隻・第3~4扇、大阪城天守閣蔵)のカラー拡大図(A2サイズ相当)
など、今後の研究に活用できる資料が多数収録されています。

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待ちに待った!書籍が刊行されましたね。思えば、私が最初に卒論のテーマにと考えたのが「大坂衆」でしたが、資料収集に関して歴史知識がまだ乏しかったので、諦めたんですよね。
しかも、平成5年(1993)に大阪城天守閣にて催された「豊臣秀頼展」生誕400年記念特別展で展示されていた山口県文書館所蔵『豊臣秀頼御上洛之次第』が翻刻されている点も大注目ですよ。

(書斎の窓)光成準治編著『吉川広家』(『シリーズ・織豊大名の研究』第4巻)

『シリーズ・織豊大名の研究』第4巻『吉川広家』

戎光祥出版から刊行された『シリーズ・織豊大名の研究』の第4巻は『吉川広家』をテーマにされています。以下、目次を掲載―

光成準治編著『吉川広家』(『シリーズ・織豊大名の研究』第4巻)
「毛利両川」の一角である吉川元春の三男として、父・兄死後の吉川家を束ねた功労者である広家の関ヶ原の戦いでの動向を再検討した総論のほか、家臣団構成や秀吉・家康との関係、城下町経営などを考察した9本の重要論文が収録されています。

(目次)
総 論  吉川広家をめぐる三つの転機(光成準治)
第1部  吉川家の権力構造
 Ⅰ   戦国後期における吉川氏の権力構成―親類衆・奉行人を中心にして―(木村信幸)
 Ⅱ   豊臣期山陰吉川領の形成と展開(長谷川博史)
第2部  広家と本宗家・統一政権
 Ⅰ   豊臣~徳川移行期における「取次」―公儀-毛利間を中心に―(津野倫明)
 Ⅱ   萩藩成立期における両川体制について―幕府への対応と藩政の動向―(脇正典)
 Ⅲ   萩藩の本・支藩関係をめぐって(田中誠二)
 Ⅳ   『陰徳太平記』の成立事情と吉川家の家格宣伝活動(山本洋)
第3部  城郭・城下町
 Ⅰ   「石つき之もの共」について(木村信幸)
 Ⅱ   米子城築城と米子の町(國田俊雄)
 Ⅲ   伯耆江美城とその城下町(伊藤創・西尾克己)


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※(参考)(書斎の窓)村井良介編著『安芸毛利氏』(『論集戦国大名と国衆』第17巻)
※(参考)「安芸吉川氏とその時代」展

(書斎の窓)村井良介編著『安芸毛利氏』(『論集戦国大名と国衆』第17巻)

『論集戦国大名と国衆』第17巻『安芸毛利氏』

岩田書院から刊行された『論集戦国大名と国衆』の第17巻は『安芸毛利氏』をテーマにされています。以下、目次を掲載―

村井良介編著『安芸毛利氏』(『論集戦国大名と国衆』第17巻)
『毛利氏の研究』(『戦国大名論集』第14巻、吉川弘文館)刊行後の、1980年代以降に発表された安芸毛利氏に関する重要な論文13編を再録し、編者による研究動向を整理した総論を付す。

    (目次)
  • 村井良介「総論 安芸毛利氏をめぐる研究について」(新稿)

  • 松浦義則「戦国期毛利氏『家中』の成立」(『史学研究五十周年記念論叢 日本編』所収)

  • 松浦義則「国人領主毛利氏の給所宛行状の成立」(『芸備地方史研究』129)

  • 和田秀作「毛利氏の領国支配機構と大内氏旧臣大庭賢兼」(『山口県地方史研究』64)

  • 木村信幸「戦国大名毛利氏の知行宛行とその実態」(『史学研究』174)

  • 柴原直樹「毛利氏の備後国進出と国人領主」(『史学研究』203)

  • 菊池浩幸「戦国期『家中』の歴史的性格―毛利氏を事例に―」(『歴史学研究』748)

  • 今岡典和「戦国期の地域権力と官途―毛利氏を素材として―」(『古代・中世の政治と文化』所収)

  • 馬部隆弘「城郭支配政策からみた戦国期毛利氏の権力構造」(『新視点 中世城郭研究論集』所収)

  • 長谷川博史「毛利氏の出雲国支配と富田城主」(『科研報告集 戦国期大名毛利氏の地域支配に関する研究』所収)

  • 山本浩樹「戦国大名毛利氏とその戦争」(『織豊期研究』2)

  • 菊池浩幸「戦国大名毛利氏と兵糧―戦国大名領国の財政構造の特質―」(『一橋論叢』123-6)

  • 長谷川博史「戦国大名毛利氏の徳政―天正七年出雲国一国徳政令を中心として―」(『史学研究』183)

  • 上田祐子「戦国大名と村落社会―周防国山代地方の地侍を中心として―」(『山口県史研究』4)


(書斎の窓)滝川恒昭編著『房総里見氏』(『シリーズ・中世関東武士の研究』第13巻)

『シリーズ・中世関東武士の研究』第13巻『房総里見氏』

戎光祥出版から刊行された『シリーズ・中世関東武士の研究』の第13巻は『房総里見氏』をテーマにされています。以下、目次を掲載―

滝川恒昭編著『房総里見氏』(『シリーズ・中世関東武士の研究』第13巻)

里見氏の安房入部の過程、天文年間の内訌の位置付け、関東足利氏との関係、本拠稲村城・館山城の問題など、必読論文21本が収録されています。

(目次)
総 論 房総里見氏論(滝川恒明)
第1部 里見義実と前期里見氏
 Ⅰ  中世城館跡の調査と保存・活用―里見氏稲村城を中心に―(峰岸純夫)
 Ⅱ  美濃里見氏小考(滝川恒昭)
 Ⅲ  里見義実の安房入部(長塚孝)
 Ⅳ  里見義通義豊義堯世次及事実の弁誤(重野安繹)
 Ⅴ  里見義豊の政治的地位(黒田基樹)
 Ⅵ  鎌倉府重臣里見刑部少輔の動向(須藤聡)
第2部 天文の内乱と稲村城
 Ⅰ  天文二・三年の安房里見家内訌について―研究史の整理と問題点―(岡田晃司)
 Ⅱ  房総里見氏の歴史過程における天文の内訌の位置付け―関係史料の紹介をかねて―(滝川恒昭)
 Ⅲ  房総里見氏の歴史における稲村城(滝川恒昭)
第3部 後期里見氏と関東足利氏
 Ⅰ  小弓公方足利義明―房総を舞台に活躍した関東足利氏の一族―(佐藤博信)
 Ⅱ  里見氏と岡本城(滝川恒昭)
 Ⅲ  喜連川頼氏の寄寓に就て(大野太平)
 Ⅳ  豊臣期における喜連川氏の動向(斉藤司)
第4部 近世大名里見氏とその終焉
 Ⅰ  館山城についての一考察(川名登)
 Ⅱ  館山町成立の契機について(岡田晃司)
 Ⅲ  中世・近世移行期の房総(山田邦明)
 Ⅳ  里見氏にあてた家康の起請文(滝川恒昭)
 Ⅴ  鳥取県東伯郡北条町北尾の八幡神社に伝わる里見忠義寄進棟札について(島津晴久・岡田晃司)
第5部 里見氏の諸資料について
 Ⅰ  南房州見学の記(土曜会)
 Ⅱ  里見家永正元亀年中書札留抜書(内閣文庫蔵)(佐藤博信)
 Ⅲ  里見義堯と〝おびんづるさま〟(早川正司)


(書斎の窓)生駒孝臣著『中世の畿内武士団と公武政権』(『戎光祥研究叢書』第2巻)

『戎光祥研究叢書』第2巻『中世の畿内武士団と公武政権』

戎光祥出版から刊行された『戎光祥研究叢書』の第2巻は『中世の畿内武士団と公武政権』をテーマにされています。以下、目次を掲載―

生駒孝臣著『中世の畿内武士団と公武政権』(『戎光祥研究叢書』第2巻)

中世の畿内における武士や武士団と公家社会及び鎌倉幕府・室町幕府との関係を摂津国渡辺の武士団・渡辺党を素材として平安末期から南北朝期の政治史の中で追求されておられます。

(目次)
序 章  中世畿内武士研究の成果と課題
第一章  平安末・鎌倉初期における畿内武士の成立と展開―摂津渡辺党の成立過程から―
 第一節 渡辺惣官職の成立と渡辺氏
 第二節 白河院政期の渡辺氏
 第三節 渡辺党の天海と鎌倉幕府の畿内支配
第二章  鎌倉期における摂津渡辺党と公家社会―渡辺党の内部構造の再検討を通して―
 第一節 渡辺党の諸系図と惣官職の相承
 第二節 「遠藤系図」にみる渡辺氏
 第三節 渡辺惣官職をめぐる渡辺党の内部対立
第三章  鎌倉中・後期の摂津渡辺党遠藤氏について―「遠藤系図」をめぐって―
 第一節 「遠藤系図」の概要
 第二節 「遠藤系図」にみえる他氏族との諸関係
 第三節 為俊流遠藤氏の北条得宗家への接近要因
 第四節 「遠藤系図」の成立時期と作成の意図
第四章  中世前期の畿内武士と公家社会―鎌倉後期の摂河泉武士の事例を中心に―
 第一節 後嵯峨院政期以後の院下北面
 第二節 鎌倉後期における畿内武士の存在形態
 第三節 鎌倉末期における畿内武士
第五章  鎌倉幕府の成立と畿内武士社会の変容
 第一節 治承・寿永内乱後の摂津国にみる鎌倉幕府の畿内支配
 第二節 鎌倉幕府による畿内地域権力の解体
 第三節 鎌倉幕府権力の展開と畿内地域社会
第六章  軍記・系図からみた南北朝期の渡辺党―天正本『太平記』近江八重山蒲生野合戦の分析から―
 第一節 天正本『太平記』蒲生野合戦にみえる渡辺党
 第二節 渡辺氏系図の虚実
 第三節 佐々木氏と渡辺党
第七章  南北朝・室町期の摂津国〝渡辺〟と渡辺党―「長福寺文書」の検討から―
 第一節 「渡辺散在下地早田内検帳」にみる〝渡辺〟
 第二節 長福寺と渡辺党
 第三節 〝渡辺〟への守護権力の浸透
第八章  南朝と畿内武士―摂津国渡辺党を事例に―
 第一節 南北朝における渡辺の状況
 第二節 南朝の畿内武士編成
 第三節 南朝における畿内武士の終焉
終 章  本書の総括と課題・展望
 一 総括
 二 今後の課題と展望
〔付録〕大阪府立中之島図書館所蔵「堺禅通寺蔵渡辺系図」