待ちに待った!というか、今頃かよ!といった感があるのですが、日本のテレビ界史上初の2時間越えドラマである日立ドラマスペシャルの第1作目「海は甦える」が遂にCS初登場です。
放送されたのが現在から37年前の昭和52年(1977)8月29日。私は小学校の6年生でした。
ちょうど昭和52年(1977)というこの年は1月からNHK大河ドラマで「花神」が、4月からTBS系列で「新選組始末記」が放映中であり、9月からはNHK少年ドラマシリーズ「幕末未来人」の放送が始まろうとする頃でもありました。
こうも立て続けに幕末・維新期の時代モノが放送されちゃうと私自身、完璧な"長州贔屓"な歴史好きとして現在に至っちゃう訳です(笑)
さて、この「海は甦える」は、江藤淳氏の原作本で現在では出版されていません。(私は偶々、古本屋で見つけたおかげで全巻揃える事ができましたが…)
主演は山本権兵衛に仲代達矢さん、その妻・トキに吉永小百合さん、山本家と関わりも持つ広瀬武夫に加藤剛さんを配し、3人を軸に描かれています。
主なあらすじは以下の通り―
品川の遊郭に訪れた海軍兵学寮生徒の山本権兵衛(仲代達矢さん)は、女郎として働くトキ(吉永小百合さん)と出会う。権兵衛は、働き始めたばかりで怯えるトキを、海兵の仲間達に協力してもらい、遊郭から脱出させたのだった。2年後には、トキを妻にした。
40歳になった権兵衛は、高千穂艦長を歴任後、長い海上勤務を終え、陸を上がった。海軍大臣の西郷従道(若山富三郎さん)の官房主事として、日本海軍近代化に辣腕をふるった。
日清戦争後、日清講和条約を締結すると、ロシアを主導とした三国干渉が始まり、遼東半島を清に全面返還するよう日本政府に勧告してきた。やむなく勧告を受託した日本政府ではあったが、世論は政府の弱腰姿勢を厳しく攻めたてた。
ある日、山本邸に広瀬武夫(加藤剛さん)が訪れる。広瀬の同級生と権兵衛の長女イネ(大竹しのぶさん)との結婚に反対する内容であったが、海軍で虎と恐れられる権兵衛を前にしても、はっきりと意見を述べる、物怖じしない態度に権兵衛は感心していた。
その後、広瀬は海軍留学生としてロシアへ赴任し、ロシア語をもちろんの事、ロシアの全てを学習した。ロシア貴族と交流する中で、子爵令嬢アリアズナと出会い、恋に落ちる。
しかし、海軍か恋人のどちらかを選ばなくてはならない状況になり、広瀬の心は日本とロシアの間で揺れていく…
といったもの。
タイトルでは「満を持して…」と書きましたが、正直なところ「今頃遅いやろ!」って思いがあります。放送するタイミングは間違ってるというか、せめてNHKスペシャル大河「坂の上の雲」の放送前に放映して欲しかったなぁー。(「坂の上の雲」を観る予習も兼ねて良きタイミングだったのにね!TBSさんはチョットモノの感覚がずれてはる…)
正直、この作品は余程断片的にしか記憶に残っていません。普通に視聴していただけなので、不鮮明な箇所だらけです。次作目の「風が燃えた」からはカセットテープに録音して、後でテープ起こしをするようにノートにセリフなどを書き写す、といった行為を始めているのですけどね。
一番印象的なのはやはり、加藤剛さん演じた広瀬武夫の♪杉野は何処~♪のシーンでしょうね。このシーンが印象深くて、放送が終わった後、宇治市の図書館に広瀬武夫に関する書籍を探しに行きましたもん!
また、トキ役でらっしゃった吉永小百合さんが屋敷(邸宅)内で声を殺して怯えているシーンが目に焼き付いていたりするんだけどなぁー。多分、暴漢・暴徒たちが襲撃して窓ガラスや建具などが燃やされ壊されている状況の描写だと思うけど、そうなると、日比谷焼打ち事件との絡みかな?
番組の終盤がその日比谷焼打ち事件なのか、もう少し先のシーメンス事件での退陣だったのかもチョットおぼろげ…
なので、今回しっかりと観て記憶に残したいと思います!
さて、この日立ドラマスペシャルですが、
- 海は甦える→山本権兵衛(仲代達也さん)主演
- 風が燃えた→伊藤博文(三浦友和さん・平幹二郎さん)主演
- 獅子のごとく→森鷗外(江守徹さん)主演
- 熱い嵐=→高橋是清(国広富之さん・森繁久彌さん)主演
- 大いなる朝=→山田耕作(野口五郎さん)主演
- 曠野のアリア→東海林太郎(滝田栄さん)主演
※(参照)36年ぶりの視聴!日立ドラマスペシャル「獅子のごとく」
※(参照)日立ドラマスペシャル「熱い嵐」
※(参照)待ちに待った「風が燃えた」、33年ぶりの再放送!
※(参照)NHK少年ドラマシリーズ「幕末未来人」―すべてはここから!
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