徳川3代将軍・家光の時代。“知恵伊豆”と呼ばれた若き老中・松平伊豆守信綱と幕府転覆を企む由比正雪の戦いを壮大なスケールで描いたスペクタクル時代劇―「徳川三国志」が時代劇専門チャンネルでCS初登場放映されます。
この「徳川三国志」は昭和50年(1975)10月22日から昭和51年(1976)4月21日にNETテレビ(現・テレビ朝日)系列で放映された連続時代劇で全26話のストーリー展開。
原作は柴田錬三郎氏の『徳川三国志』と『嗚呼江戸城』を脚色したもの。
大枠は―
“知恵伊豆”こと松平伊豆守信綱は将軍・徳川家光に重用されるが、紀伊大納言・徳川頼宣はそれに反抗するなど、幕閣と対立していました。
また、武断政治を執り、多くの大名領主が減封や改易の憂き目に遭い、浪人の数が激増するにもかかわらず、何の対策も立てず、寧ろ浪人たちを取り締まって、再仕官への道を閉ざすなどの政策を施行し続ける幕政(幕閣)に対し、自分たちをこうした浪人の身に追い込んだ最大の原因は「御政道」(幕政)が正しくないからだ、と不満や批判的な考えを持つ者が増え出し、巷では社会混乱が起こっていました。
由比正雪も、密かに幕政の変革を企てようと理想を模索していました。
折しも、反乱に揺れるお隣の国、中国・明から援軍を求める密使が来日。
それを知った正雪は遠大な構想を掲げて野望に燃えようとしていきます―
ベースとなるのは、“知恵伊豆” vs 正雪の頭脳戦を軸に描かれ、伊賀者と根来衆との忍者合戦、剣豪同士の立ち会いなど、様々なエピソードで
主な配役は以下のとおり―
- 松平伊豆守信綱(“知恵伊豆”)=松方弘樹さん
- 柳生十兵衛三厳=若林豪さん
- 笠井孫兵衛(信綱の家臣)=長門勇さん
- 笠井弥一郎(孫兵衛の息子)=三ツ木清隆さん
- 鴉の甚兵衛(隠密)=松山英太郎さん
- 由比弥五郎(正雪)=中村敦夫さん
- 丸橋忠弥(長宗我部盛親の子、宝蔵院流槍術の名手)=佐藤允さん
- 金井半兵衛(正雪の高弟の1人)=岸田森さん
- 楠不伝(楠木正辰、軍学者、正雪の義父)=戸浦六宏さん
- 徳川家光=片岡孝夫(現・片岡仁左衛門)さん
- 土井大炊頭利勝(老中首座、大老)=中村竹弥さん
- 保科正之(家光・忠長の異母弟)=仲谷昇さん
- 駿河大納言・忠長(家光の弟)=田村正和さん
- 紀伊大納言・頼宣=芦田伸介さん
- 春日局(家光の乳母)=岸田今日子さん
- 永光院(家光の側室→春日局の死後は奥向き(大奥)取締として実権を握る)=岡崎友紀さん
- 千姫(家光・忠長・正之の姉)=高田美和さん
- 服部一夢斎(服部半蔵の兄)=宇野重吉さん
- 根来幻幽斎(根来衆の首領)=近衛十四郎さん
- 楓(信綱の妹)=いけだももこさん
- 志乃(くの一、服部一夢斎の娘)=坂口良子さん
- お吉(御家取り潰しに遭った姫さま、信綱を恨み仇と狙っている)=和泉雅子さん
- 大久保彦左衛門忠教(“天下のご意見番”)=辰巳柳太郎さん
- 幡随院長兵衛(口入れ屋、侠客)=中谷一郎さん
- 一心太助=目黒祐樹さん
- お仲(太助の女房)=津山登志子さん
- 荒木又右衛門=山崎努さん
- 渡辺数馬=石田信之さん
- 河合又五郎=坂口徹さん
→言わずと知れた「鍵屋の辻の決闘」の面々! - 宮城野=梅田智美さん
- おたか=堀越陽子さん
→「宮城野・信夫姉妹の仇討ち」として人形浄瑠璃や歌舞伎の題材にもなりましたよね! - 関口隼人正(紀伊家家老)=田島義文さん
- 内藤掃部(駿府家付家老)=永野達雄さん
- 牧野備後(駿府家付家老)=田口計さん
- 伊達政宗(陸奥仙台藩主)=西村晃さん
- 青山伯耆守忠俊(家光の傅役)=金子信雄さん
- 左甚五郎=長門裕之さん
- 松倉勝家(肥前島原藩主、島原の乱への遠因を創る)=北上弥太朗さん
- 鄭芝龍(鄭成功の父)=森次晃嗣さん
放送時間は、午前7時/午後7時。
※11月に入り、毎週土曜日に3話ずつ再放送されます。
各話タイトルは以下のとおり―
- 智恵伊豆と呼ばれる男
- 野望に燃える男たち
- 悲運の貴公子 忠長
- 若君の危機
- 南海のあばれ竜
- 白昼の三十六人斬り
- 江戸城悲話
- 恐怖の火焔地獄
- 千姫と彦左と太助
- 柳生十兵衛を狙う男
- 仇討ち姉妹
- 姫君町を走る!
- 家光と目黒のサンマ
- となりの女にご用心
- 左甚五郎・昇り竜
- 又八郎人生勝負
- 黒い米蔵を斬れ!
- 美女の罠を砕け!
- 家光と春日局、涙の別れ
- 忍びの掟は死の掟
- 恐怖の十字架
- 幻の盗賊を追え!!
- 江戸の毒を斬れ!
- 将軍暗殺!宇都宮つり天井
- 由比正雪ついに起つ!
- 伊豆守と正雪宿命の対決
いやぁー実に30数年ぶりの視聴の機会が訪れます。
ちょうど中学生か高校生の頃でしたが、お昼の午後2時台に関西テレビで再放送されていた時に観て以来なんですよね。(あの頃は良かったなぁー。1時台は昼ドラで、2時台は時代劇の再放送、3時台はワイドショー、4時~6時台はアニメの再放送、って感じでしたからね。少なくとも現在の番組編成のように何処もかしこもワイドショーばっかりじゃ、昔の名作&良作ソラマやアニメの再放送さえ観られないんですもんね、平成生まれの人たちって…憐れ!)
ホント、この作品に限っては見処たくさんですよ!“知恵伊豆”演じる松方弘樹さんのチョット押さえた演技も良かったし、正雪演じる中村敦夫さんの野望を胸に一歩一歩のし上がっていく様も観ていて愉快そのもの!それこそ、正雪の
ストーリーはラストの「慶安の変(慶安事件)」に向かっていく訳ですが、正雪(中村敦夫さん)も丸橋忠弥(佐藤允さん)も金井半兵衛(岸田森さん)も志を遂げずに死んでゆきます。
正雪や丸橋忠弥や金井半兵衛は自分たちが掲げ、実現しようとした世界を見る事なく、死んでしまいますが、結果的に“幕政への諫言、浪人救済”という面が幕政を武断政治から文治政治へと転換していくとは、彼らも思いもしなかったでしょうね。
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