「君の手がささやいている」

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スカイパーフェクTVのチャンネルNECOにて「君の手がささやいている」を観ました。

この作品は普段テレビドラマを観て気に入ったら原作を読むという僕の流儀に反して(笑)原作を最初から読んでいた、という数少ない作品のうちの1つです。

原作は軽部潤子さんで、

・『君の手がささやいている』(全10巻)、
・『新・君の手がささやいている』(全13巻)、
・『君の手がささやいている 最終章』(以下、『最終章』)(全3巻)


が揃っています。

ドラマでは、

・第1章(平成9年=1997=12月15日放送)
・第2章(平成10年=1998=10月1日放送)
・第3章(平成11年=1999=10月7日放送)
・第4章(平成12年=2000=10月5日放送)
・最終章(平成13年=2001=12月26日放送)


と制作されました。その内容は、

生まれつき聴覚障害を持つ武田美栄子(菅野美穂さん)は、大手企業に就職するが障害者に対する周囲の反応に戸惑います。そんな中で、同じように向き合ってくれる野辺博文(武田真治さん)と知り合い、結婚します。

幸せな結婚生活を送っていた中で、美栄子は妊娠。美栄子は自分の持つ障害のことへの悩み、一人前の母親になれるか不安が生じますが、博文の励ましで出産を決意し、千鶴が生まれます。

千鶴(谷口舞さん)はすくすくと成長し、小学校に通うようになります。でも、千鶴は、母親である美栄子の障害の事でクラスメートと仲良く付き合えません。

そんな千鶴の姿中心として、美栄子や博文の葛藤や克服していく様子が描かれています。

ドラマではここまでの展開で終わっています。

原作での『最終章』では、何と千鶴も失聴してしまい、人工内耳の手術、そのリハビリテーションの様子などが描いているのですが…

ドラマで主題歌にスティーヴィー・ワンダーの「I just called say I love you」が使われているのも、このドラマが印象深い1つの要因になってるかもしれません!

― ◇ ◇ ◇ ―

―私事ですが、僕は前職で某大学の学校事務職として学生課を担当していた時期があります。在学生には視覚障害の学生や聴覚障害の学生も在籍していました。点字を使ったり、手話を使っての会話が日常茶飯事でしたが、僕自身は正式に習った事さえありません。僕が在籍していた大学では手話や点字の実践授業があって、それをかじった程度にしか過ぎませんでした。

このドラマは、それじゃあ、学生とのコミュニケーションがとれない!とサークルなどに入って身に付けてみようと頑張っていた時期の思い入れがあるドラマだったりするのです。

― ◇ ◇ ◇ ―

そういえば、吉田松陰先生の弟・杉敏三郎も生まれつき話せず耳が聞こえなかった聾唖者で、松陰先生は敏三郎を気遣って、旅先や獄中から弟を案じる書簡が幾つも遺されているのだそうです。

その昔、大学で教職課程の単位取得のために教育心理学という講義を受講していた際に教鞭をとられていた先生が教材として挙げていたのが、松陰先生の敏三郎への実践・対応についてでしたっけ!

普通、教育心理学で松陰先生を採り上げるなら、松下村塾における教育実践=長所を引き出し伸ばしてやる、といった内容が多いんですが、その先生が採り上げたのは松陰先生と弟・敏三郎のエピソードから障害者教育について講じられていました。(←あまり見ないケースですよね!)

― ◇ ◇ ◇ ―

このドラマの中で美栄子と博文が結婚する時を描いた第1章のシーンで、博文が聴覚障害の事で諦めようとする美栄子に対して言ったことばに「障害を持つ事はハンデではない。1つの個性なんだ!」というニュアンスのセリフがあります。

確かに障害を持っている事は健常者に比べてハンデキャップを背負っていますが、それでも個性として位置付ければ、同じ人として向き合えるはずですよね。

ちなみに、こんなソフトを発見しました!



この記事へのコメント

  • 御堂

    菜の花さん、こんばんは。

    最近の昼ドラは少女マンガ系やレディーズ雑誌系の原作が増えてきましてね。傾向として悪くはないんだけど、映像で描ききれないシーンも多々ありそうだから、下手に原作を知ってると物足りなさも感じなくはないです。

    「名もなく貧しく美しく」は僕も観てなかったので、ありがたい情報です。あの当時はポーラテレビ小説は観てたけど、花王愛の劇場は観てなかったんですよね。

    んで、「名もなく…」を検索してたら、他に映画版(高峰秀子さん、小林桂樹さん)が目に入りました。今度チェックしてみようかな、と思います。
    2006年05月09日 00:17
  • 菜の花

    御堂さん、おはようございます。(^ー^)/~
    私もドラマを観てから、気に入ったら、原作(漫画、小説)を買って読むほうです。最近では、昼ドラ『新・風のロンド』を観て、途中から、原作(津雲むつみ先生の漫画)を買って読みました。ところで、“教育心理学”の講義をされていた先生、とっても素敵な方と思われます。短い人生の中で、たとえ一人でも素晴らしい先生に出会えるって、幸せなことですね♪
    『君の…』は今NECOで放送されていますね。“菅野美穂”さんはいつも演技がお上手で、見とれてしまいます。昔、島かおりさん主演のドラマ『名もなく貧しく美しく』も島さんが演じた役は聾唖者でした。(←何て書いたら私の年齢バレバレ?)
    2006年05月08日 10:10

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