第二次世界大戦中、約10万頭もの犬が訓練を施され、“軍犬”として戦場に出兵させられます。
しかし、そうした“軍犬”たちの多くは地雷を踏んだり、狙撃手の標的となって命を落としています。
また、運良く生き残っても終戦と共に戦地に置き去りにされてしまった…など多くの“軍犬”が戦争の犠牲になったのです。
「さよなら、アルマ ~赤紙をもらった犬~」というドラマは、
戦時の犠牲者は人間ばかりではない…戦時中、出兵した多くの“犬”がいた…
穏やかな子供たちとの生活を引き裂かれ、戦争という運命に翻弄された“無言の兵士・アルマ”
激動の時代にともに命をかけて戦った犬・アルマと兵士の友情の物語
を主題として、シェパードのアルマが“軍犬”の訓練士・太一と出会い、立派な“軍用犬”として育成されて戦地に送り込まれ、そのアルマを追って戦地に赴いた太一との心の触れ合いを描いた物語です。
原作は水野宗徳さんの『さよなら、アルマ』(サンクチュアリ出版)。
主な配役は、
- 朝比奈太一(専門学校=現在の私立大学=の獣医学部に通う学生だったが、アルマの出征後に中退し、満洲に渡って犬の訓練士となる)=勝地涼さん
- 高橋史子(健太が通う国分寺第一国民学校の教諭で担任を務める)=仲里依紗さん
- 川上健太(アルマの元飼い主)=加藤清史郎くん
- 川上千津(健太の妹)=松本春姫ちゃん
- 渡辺道子(小料理屋の女将)=東てる美さん
- 山田勝利(肉屋、典型的な軍国主義者)=石原良純さん
- 高橋寛子(史子の妹、軍需工場で働き、銃後(※)の意思が強い)=西内まりやさん
- 光塚秀行(犬の訓練士)=斎藤工さん
- 真田誠太郎(満鉄=南満洲鉄道株式会社=警戒犬訓練所での太一の上司)=小栗旬さん
- 有川直哉(史子の許嫁、太一がアルマと共に従軍する特殊部隊(※)に所属)=玉山鉄二さん
- 緒方清治(特殊部隊の軍曹。第三班班長)=小泉孝太郎さん
- 工藤軍曹=蟹江一平さん
- 大久保正(特殊部隊の伍長)=池内博之さん
- 加藤守(特殊部隊の兵長)=やべきょうすけさん
- 河村上等兵=足立理さん
- 久賀沢上等兵=阿部亮平さん
- 福島上等兵=吉田智則さん
- 妹尾一等兵=鈴之助さん
- 富田一等兵=白倉裕二さん
- 松下一等兵=馬場徹さん
- 王華峰・通訳=颯太さん
- 松原義冨(関東軍(※)高級参謀)=中村獅童さん
- 立原登美子(満洲国首都・新京(※)の料亭の女将)=萬田久子さん
- 朝比奈カツ(太一の祖母)=草笛光子さん
- 朝比奈太一(晩年)=大滝秀治さん
※銃後
「銃後」とは、銃の後ろ、すなわち戦場の後方で働くという意味合い。戦場において戦闘に参加したり、支援したりする男性に代わっり、女性が労働力を担い、軍需工場などで勤労奉仕する事によって戦争の遂行と勝利に貢献するという考え方。“銃後の守り”
※特殊部隊
関東軍特8118部隊第三班=満洲の治安維持と匪族 (ゲリラ化した反体制派武装集団)討伐を目的とした部隊
※関東軍
「関東」とは山海関(中華人民共和国河北省と遼寧省の省境に位置する万里の長城の東端にある要塞)の外側であった大連、旅順などを中心とする遼東半島(営口・鳳凰城・鴨緑江を結ぶライン以南)の先端にあった日本の租借地に駐留した軍隊組織を指す
※満洲国首都・新京
新京は、満洲国の首都で新京特別市。現在の中華人民共和国吉林省長春市にあたる
さて、靖国神社には戦争によって散っていった“軍犬”たちの慰霊像あり、そこにはこう記されているそうです―
昭和6年(1931)9月満州事変勃発以降、同20年8月大東亜戦争終結までの間、シェパードを主とする軍犬はわが将兵の忠実な戦友として第一線で活躍し、その大半はあるいは敵弾に斃れ、あるいは傷病に死し、終戦時生存していたものも遂に一頭すら故国に還ることがなかった…
この記事へのコメント
御堂
争い事というのは、誰かしら傷ついてしまいます。心の傷であったり、身体の傷であったり…
そうならないために何をすべきか、何をしなければならないのか、を見つけ出し、サニーさん自身ができる事から実践していって下さい!!
サニー
行きたくもない戦争に、赤紙が来るなんて・・・
人間でも嫌なのに、犬が行くなんてかわいそう
でも今まで育てていた飼い主は、悲しいなと思いました!私も犬を飼っているけど、同じようなことがなったら絶対に嫌です!