八木書店より刊行された史料で読む戦国史シリーズの第1弾、『証言 本能寺の変―史料で読む戦国史』を紹介します。
従来の常識・通説に左右されることなく、「本能寺の変」を良質な史料群(計117点)に基づき検証!実証史学を体感するのにはもってこい、な書籍となっています!―
◎藤田達生著『証言 本能寺の変―史料で読む戦国史』
- 百家争鳴の本能寺の変を、良質の史料群により証言!
- 史料編には、関係史料(合計117点)を収録。
- 各史料には、読み下し文を付し、本文中にて平易な解説を加える。
(目次)
はじめに
本能寺の変ブーム/戦後歴史学の陥穽/小著のねらい
プロローグ―明智光秀は逆臣だったのか?―
信長の改革思想/謀反の正当性
第一章 信長の西国政策
一 小西氏と堺・日比屋氏
1 荒木村重の謀反
謀反の端緒/信長包囲網に属す/脆弱な織田政権
2 四国政策の変更
光秀と長宗我部氏/三好秀次の誕生
コラムⅠ 幕府衆としての光秀
秀吉と長宗我部氏/派閥抗争
3 秀吉の長宗我部氏攻撃
長宗我部元親の外交/羽柴―三好ライン/派閥抗争の勝者/西国支配構想
〔第一章 史料編〕
第二章 天下統一の最終段階
1 紀伊国の幕府方勢力
将軍亡命/紀州惣国一揆
コラムⅡ 紀州惣国一揆か「雑賀惣国」か?
雑賀攻撃/高野山攻撃
2 鞆の「公儀」
なぜ鞆の浦なのか/公方御所/幕府の陣容/義昭の花押と文書/幕府財政/外交権
3 西国出陣
秀吉の調略/揺れる海賊家中/四国攻撃/長宗我部氏の危機
コラムⅢ 三日前でも挙兵は決断できていなかったのか?
〔第二章 史料編〕
第三章 「安土幕府」の時代
1 安土行幸
行幸計画/遷都構想/「安土幕府」/幕府とはなにか/空前の政権
2 改革イデオロギー
天下人としての荘厳/外交戦略/困惑する朝廷
3 三職推任
将軍推任へ/将軍任官のねらい/反信長勢力と朝廷
コラムⅣ 似て非なるもの―安土城天主と大坂城天守―
〔第三章 史料編〕
第四章 本能寺の変
1 光秀の密使派遣
越中魚津城の攻防/クーデター計画/史料批判をめぐって
2 従軍兵士・周辺住民の証言
家康の臣従/供応役をめぐるトラブル/謀反に踏み切る
3 クーデター決行
愛宕百韻/六月二日の意味/将軍推任への回答
4 政権構想と支持基盤
信長燃ゆ/合流する勢力/幕府再興/義昭のアプローチ
5 公方の画策
上洛命令/義昭の誤算/落日の「鞆幕府」
コラムⅤ 各地に残る光秀伝承
〔第四章 史料編〕
第五章 太閤と神君の神話
1 備中高松の講和
備中高松城/講和締結/戦場の駆け引き
コラムⅥ 光秀の密使は捕まったのか?
2 復元「中国大返し」
情報戦を制する/作られた神話/名分にこだわる光秀
3 天下の再建
下剋上/幕府衆の最期/将軍権力のゆくえ
4 「神君伊賀越え」
わずかな手がかり/基本文献/推定ルート/由緒の創造
〔第五章 史料編〕
エピローグ―信長スクール―
改革者とは/不世出の思想家/時代の教育者
おわりに
通説を疑う/本能寺の変と現代
史料解題
初出一覧
文献一覧
本能寺の変の推移
※(参照)「本能寺の変」の謎―なぜ光秀は信長に謀叛したのか?
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