平成25年は会津鶴ヶ城落城から145年目…まずは新春ワイド時代劇「白虎隊~敗れざる者たち」で幕開け!

「白虎隊~敗れざる者たち」

毎年恒例、正月2日にテレビ東京系列で放送される新春ワイド時代劇に「白虎隊~敗れざる者たち」と決まりました。

物語は、会津藩主・松平容保かたもりが京都守護職を拝命し、悲劇の幕が開ける文久2年(1862)から、戊辰戦争を経て会津の地に再び春の予感がし始める慶応4年(1868)頃までの、激動の約7年間を中心に、どちからと言えば悲劇になりがちな白虎隊の物語を会津藩家老・西郷頼母たのもの一家を中心にホームドラマチックに描かれる模様。

番組の概要はこんな感じ―

幕末の会津。会津藩家老・西郷頼母は、妻・千重や自身の親兄弟・子供たちと質素ながらも仲睦まじく暮らし、家老職の一方で藩校「日新館」の指導者としても少年たちの鍛錬に尽力していた。

しかし文久2年(1862)、会津藩主・松平容保が京都守護職に任ぜられた事で状況は一変する。当時、幕府の威信が低下する中、京には尊王攘夷派の過激浪人らが集い、治安は悪化の一途を辿たどっていた。そんな中で幕府は京都守護職を新設し、会津藩の優れた武勇で不逞ふてい浪人を一掃しようとしたのだった。

会津藩の切迫した財政を知る頼母は、京都守護職を返上するよう強固に主張する。会津藩江戸屋敷まで出向き藩主・松平容保に直訴するが、義に厚い容保は聞き入れず、病弱の身を押して京へ向かうのだった。

京都守護職は新選組を配下に置き、攘夷派を厳しく取り締まったが、それは薩摩や長州の激しい憎悪を買うことを意味していた。会津藩は否応いやおうなく、混乱する政局の中心に巻き込まれて行くのだった…

というもの―さて、主な配役陣ですが―
  • 西郷頼母たのも近悳ちかのり(会津藩家老=家禄1700石)=北大路欣也さん
    →西郷家は菊池氏系で西郷隆盛とは同族、維新後は、母方の保科姓に改姓

  • 頼母の妻、千重=黒木瞳さん
  • 頼母の母、律=渡辺美佐子さん
  • 頼母の妹、眉寿みす=国仲涼子さん
  • 頼母の妹、由布ゆふ=前田亜季さん

  • 飯沼貞吉(頼母の甥、白虎隊士中二番隊所属)=中村蒼さん
  • 井深いぶか茂太郎重應(頼母の甥、白虎隊士中二番隊・記録役)=西井幸人さん
  • 篠田儀三郎(白虎隊士中二番隊・嚮導〔=副隊長〕 )=須賀健太さん
  • 日向ひなた内記ないき(白虎隊士中二番隊・中隊頭)=山田純大さん
    →のち、籠城戦では白虎隊の生存者で構成された合併白虎士中隊中隊頭にも再任される
  • 中沢鉄之助(会津藩士、眉寿の許嫁)=渡辺大さん
    →蛤御門の変の際、御所唐門からもん宜秋門ぎしゅうもん〕で戦死
  • 秋月悌次郎ていじろう胤栄(会津藩公用方用人)=山下規介さん
    →維新後は、胤永かずひさと改名

  • 神保じんぼ内蔵助くらのすけ利孝(会津藩家老家禄1000石、内蔵助個人の功績で200石加増=1200石)=石田太郎さん
  • 田中土佐玄清はるきよ(会津藩家老=家禄2000石)=寺田農さん
  • 萱野かやの権兵衛ごんのひょうえ長修ながはる(会津藩家老=家禄1500石)=小林稔侍さん
    →会津戦争を引き起こした責任者として処刑

  • 松平容保かたもり(陸奥国会津藩・第9代藩主、京都守護職)=伊藤英明さん

  • てる姫(容保の義姉、のち照桂院)照姫=水野真紀さん
    →上総飯野いいの藩の第9代藩主、保科正丕まさもとの娘、松平容敬かたたかの養女となり、豊前中津藩・第8代藩主、奥平昌服まさもとの正室となるが離縁され、会津藩江戸屋敷に暮らす、のち容保と共に会津に移る

  • 土方歳三(新選組・副長)=岸谷五朗さん
  • 芹沢鴨(浪士組筆頭局長)=隆大介さん
  • 近藤勇(新選組局長)=梨本謙次郎さん

  • 会津の名主・治兵衛(頼母とは旧知の仲)=中村嘉葎雄さん
らの皆さんが競演されますよ!

― ◇ ◇ ◇ ―

来年は“Year of 会津”って感じですね。まずはテレ東系での放送から!それで日曜日のNHK大河ドラマ「八重の桜」って流れですか(笑)

私自身、会津戦争に関してはNHK大河ドラマ「獅子の時代」(昭和55年=1980)と日テレ系年末時代劇スペシャル「白虎隊」(昭和61年=1986)での映像シーンが基本ですが、まだ発表されていない配役陣としては山川大蔵、佐川官兵衛、山口二郎(斎藤一)、中野竹子などに注目でしょうかね!

「白虎隊~敗れざる者たち」から西郷家の女たち

その中でも一番の注目は、このドラマ的には西郷頼母の親族を中心に登場している様なので、慶応4年(1868)年8月23日に鶴ヶ城下の頼母やしきで親族21名が自決したシーンは外せないでしょう。

頼母の母・律(58歳)、妻・千重(34歳)、妹・眉寿(26歳)、妹・由布(23歳)、長女・細布たえ(16歳)、次女・瀑布たき(13歳)、三女・田鶴たづ(9歳)、四女・常盤とわ(4歳)、五女・すゑ(2歳)、そして祖母(80余歳)の9名は、戦争するにあたって、戦力にならない婦女子は足手まといにしかならないからと、壮烈な自決を果たすのです。

しかも悲しみの連鎖は続くもので、城内に籠もる会津兵らは攻城戦をするにあたり、戦略的にみて武家屋敷が攻撃に支障をきたすとみて、城内から火矢を放ち、頼母邸周辺の武家屋敷をことごと焼き払ったのです。

不幸にも、飯盛山麓からその黒煙を見た白虎隊士たちは鶴ヶ城が炎上している、と見誤ってしまい、“白虎隊の悲劇”が生じてしまったのです。

話を戻して―

私がこの一族自決のシーンを初めて観たのが、上記したようにNHK大河ドラマ「獅子の時代」の第9話「アームストロング砲」という回です。

この時は西郷頼母の親族という設定ではなく、一方の主人公である平沼銑次の一族が自決を果たすというもので、“ばばさま”である浦辺粂子さんが銑次の母である嫁に介錯されるシーンは何とも言えず涙が止まらなかった事を憶えています。

それが、頼母の親族として場面に登場したのが、同じく日テレ系年末時代劇スペシャル「白虎隊」です。

この時のイチ押しのシーンが頼母の長女である細布が自決するも、急所を外していてまだ息があり、その状況を目撃した土佐藩士の中島信行(※)が介錯する―というシーンでした。

※ 土佐藩士の中島信行
実のところ、中島信行、すなわち当時「中島作太郎」「明治改元をまたず、徴士にとりたてられ五月十九日外国官権判事を仰せ付けられる。その四日後の二十三日には開港問題のくすぶり続ける兵庫の県判事として…(後略)…」(『中島信行(作太郎)伝』)と、また「明治元年五月廿七日、兵庫県ヲ置カル、判事伊藤俊助(博文)ヲ以テ県知事ニ任シ、東條慶次・中島作太郎(信行)ヲ以テ判事ト為ス」(『兵庫県史料第2編 県治第1冊』(国立公文書館所蔵)とあるように、慶応4年(1868)5月23日に新設された兵庫県の県判事(=副知事クラス)に任官しており、会津へは出征していません。

つまり、西郷細布を介錯したのは「中島作太郎」ではないという史実が確証立っている訳です。

この場面が知られた原本資料は、明治29年(1896)に頼母自身が執筆した私家版『栖雲せいうん記』で、そこには土佐藩士でなく「薩摩国人・中島信行」と書かれてあったのです。

頼母没後の大正2年(1913)に『栖雲記』は公刊されるのですが、その際に編者が註書きとして「土佐の人(故人、男爵)中島信行」と訂正しちゃったようで、これが後々まで誤解を生じさせたのです。

昭和8年(1933)、山川健次郎が監修した『会津戊辰戦史』では『栖雲記』からの引用と断わって「土州藩・中島信行」と記されています。

では、一体誰が西郷細布を介錯したのか?

高知の郷土史家でおられる平尾道雄氏は迅衝隊の差使役(斥候?)だった「中島茶太郎説」を採っておられます。

東山道方面軍を任され、会津に出征した土佐藩の主力部隊は乾(板垣)退助率いる迅衝じんしょう隊。

その迅衝隊に大軍監として行動を共にした谷干城が執筆した『谷干城東征私記・日記』の中にも「中島茶太郎」の名が記されていますが、真相は如何に!

…とは言っても、一般的に流布して来たのは「中島信行」なので、ドラマ的には問題なしですけどね(笑)

歴史ドラマっていうのは、歴史小説を原作に、モチーフに脚本・アレンジした作品であって、新たな史実をドラマの場面に反映させたいのなら、新たな史実を踏まえた原作を制作したモノを脚本・アレンジすればいいのですから(笑)


西郷頼母をベースに描くのならば、この西郷一族の悲劇はやはり外せないですよね!

脚本もジェームス三木さんという事ですので、盛り込める要素はふんだんにあると期待してますが…

テレビ東京系時代劇「白虎隊~敗れざる者たち」は、来年1月2日(水)午後5時から一挙7時間かけての放映です!

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※(参照)「白虎隊」
※(参照)新春ワイド時代劇「忠臣蔵~その義その愛~」
※(参照)新春ワイド時代劇「柳生武芸帳」
※(参照)新春ワイド時代劇「寧々~おんな太閤記」
※(参照)新春ワイド時代劇「徳川風雲録」
※(参照)新春ワイド時代劇「忠臣蔵 瑤泉院の陰謀」
※(参照)新春時代劇ワイド「国盗り物語」

TBS時代劇「雲を翔びこせ」

市販されたいる「雲を翔びこせ」のVHSビデオテープのパッケージ写真

CSのTBSチャンネルにおいて、東京商工会議所創立100周年を記念して制作され、昭和53年(1978)9月28日に放送された「雲を翔びこせ」がCS初放送として放映されます。

ドラマの趣旨としては―
近代日本の経済界に大きな足跡を残した渋沢栄一の青春期を描いた大型ドラマ。“近代日本、明治を作ったのは、薩長土肥の侍たちだけではなかった”。本作の主人公・渋沢栄一も武蔵国の農家出身だ。単なる偉人伝ではなく、渋沢栄一という一人の青年の人間形成の過程を追う。決して天才肌の男ではなかった渋沢栄一が、試行錯誤を繰り返しながら、自分の生きる道を探り当てていく姿と、それを取り巻く青春の群像を描く
という感じで、あらすじはこんな感じ―
安政5年(1858)、武蔵国榛沢郡血洗島村(現、埼玉県深谷市血洗島)の豪農・渋沢家の息子、栄一は尾高家の長女・千代を嫁にもらう。尊王攘夷の意気に燃える栄一は、従兄弟の喜作、千代の兄弟・尾高新五郎、長七郎、平九郎らと英国公使館の焼き討ちを計画。
だが、焼き討ちは長州藩士に先を越され、そのとばっちりで栄一たちはバラバラになってしまう。
やっとの事で京都に辿(たど)り着いた栄一と喜作は、妙な縁で一橋德川慶喜の家臣になった。そして、慶応2年(1866)、慶喜は15代将軍に就任。倒幕の志を持ってい栄一たちはいつの間にか幕府側になってしまった…
というもの―

主な出演者は、
  • 渋沢栄一=西田敏行さん
    渋沢栄一は、幕末・維新期から大正の初めに活躍した官僚で、のち実業家となり、“日本資本主義の父”と云われ、日本の歴史を代表する経済人として、千円札の肖像候補として最終選考に残った経緯がありますが、結果として、偽造防止の観点から肖像にひげをたくわえた伊藤博文に持って行かれたそうです。
    日本国際児童親善会を設立し、日本人形とアメリカの人形(→青い目の人形)を交換するなど、交流を深める事に尽力。大正15年・昭和元年(1926)、昭和2年(1927)にはノーベル平和賞の候補にもなったそうです。

  • 栄一の従兄、喜作=武田鉄矢さん
    →渋沢成一郎(明治以降は喜作と名乗る)、一橋家当主だった德川慶喜が将軍になると奥右筆に任じられ、上洛。慶喜の東帰に随ったのち、一橋家家臣団を中心に彰義隊を結成し、頭取に就任。慶応4年(1868)4月、慶喜が謹慎場所を江戸から水戸へ移すと、彰義隊で内部対立が起こり、成一郎は副頭取の天野八郎と対立、彰義隊を脱退。成一郎は尾高新五郎と一橋徳川家の所領地があった武蔵国高麗こま郡の下直竹村、上畑村、大河原村、原市場村、唐竹村、赤沢村(現、埼玉県飯能市)で募集し組織された農兵と上野戦争で遁走した軍兵を中心に振武軍を結成。新政府軍と飯能戦争で衝突しますが敗走。それでも徹底抗戦の考えを貫き、新五郎と共に榎本武揚ら脱走艦隊に合流し、箱館まで転戦しますが、五稜郭陥落と共に新政府軍に投降。大赦ののち、大蔵省に出仕し、欧米視察を経て実業界に転進。大正元年(1912)75歳で没。

  • 栄一の妻、千代=池上季実子さん

  • 千代の兄、尾高新五郎=柴俊夫さん
    →尾高新五郎惇忠、新政府軍の東征の折り、渋沢成一郎らと振武軍の結成に榛沢新六郎という変名で参加し、会計頭取となります。新政府軍と飯能戦争で衝突するが敗走。成一郎と共に榎本武揚ら脱走艦隊に合流し、箱館まで転戦しますが、五稜郭陥落と共に新政府軍に投降。栄一の大蔵省出仕に伴い、新五郎も維新政府に出仕し、同省勧業寮富岡製糸場掛に属すや、同製糸場の建設および運営に尽力。同製糸場の初代工場長に「就任します。
    余談ですが、新五郎の長女・ゆうは父・新五郎が心血を注ごうとする富岡製糸場の操業を支える工女の募集不足に苦労している姿を鑑み、第1号の伝習工女に志願して父に扶助します。「工女」という語から、『あヽ野麦峠』の様な女工哀史的なイメージを思い浮かべるかもしれませんが、明治初期の「工女」は伝習工女といって、技術の伝習を行うフランス人教婦から技術を学び、最先端の技術を学ぶパイオニア的存在でした。伝習工女は研修期間を終えて帰郷すると、その技術を地元に伝習する指導者的存在なのです。伝習工女は地域によっては“糸姫”と呼ばれて敬われています。
    また、新五郎は伝習工女に対して、「繰婦(=工女)は兵隊に勝る」んだよ、と女性の労働力は男性のそれに劣るものではない、と自信と誇りを持ち、人間性を重視した指導を行ったと云います。

  • 千代の兄、尾高長七郎=Char(チャー)さん
    →尾高長七郎弘忠、幕末・維新期に水戸派の思想に傾倒し、坂下門外の変に参加しようとするも、兄・新五郎に制止され断念。文久3年(1863)、栄一や兄・新五郎らが高崎城を乗っ取って武器を奪い、横浜を焼き討ちにしたのち長州と連携して幕府を倒すという計画を立てた際には、懸命に説得し、思いとどまらせています。翌文久4年(1864)正月、江戸から古里に戻る途中、突如錯乱して通行人を殺傷してしまい、板橋宿で捕縛され、伝馬町の獄に繋がれてしまいます。
    獄に繋がれる事4年経った明治元年(1868)、新五郎が身柄を引き取り、出獄。同年11月18日、口論から実母を惨殺し、異変に気付いた新五郎によって斬られます。享年31歳。(『実業家奇聞録』172、尾高惇忠弟を斬る)

  • 千代の弟、尾高平九郎=川﨑麻世さん
    →尾高平九郎昌忠、のちに栄一がパリ万博に将軍の名代として出席する德川昭武の随行員として海外渡航するに際、幕府の規則で見立養子縁組(仮養子)を組まねばならず、栄一の養子となり、渋沢平九郎と名乗る。新政府軍の東征の折り、兄・新五郎と共に振武軍の結成に参加し、組頭となります。新政府軍と飯能戦争で衝突するが敗走。平九郎は変装して逃走しますが、黒山村(現、埼玉県入間郡越生町)で新政府軍に捕捉され負傷、平九郎は割腹して自決、享年22歳。

  • 栄一の父で渋沢「中ノ家」当主・市郎右衛門=大滝秀治さん
  • 栄一の母・エイ=入江杏子さん
  • 栄一の叔父で渋沢「東ノ家」当主・宗助=佐野浅夫さん

  • 川添愼之助(水戸浪士、天狗党)=三浦洋一さん
  • 鳥飼(もと上州の百姓→民部省・大蔵省の官吏となる)=平田満さん

  • 平岡円四郎(一橋家用人=家老並)=田村高廣さん
  • 土方歳三(新選組副長)=中山仁さんさん
  • 祗園の芸妓・小菊=三林京子さん

  • 水戸藩士・某=横尾忠則さん→平岡円四郎を殺害する
    →平岡殺害の実行犯である水戸藩士の江幡広光か、林忠五郎にあたるのかな?

  • 武蔵岡部藩の領主=長谷川哲夫さん
    →栄一が関わった時代の当主は安部あんべ信宝のぶたかか、その息子・信発のぶおきだと思われます

  • 大隈重信(栄一が民部省・大蔵省出仕時の民部大輔、大蔵大輔)=石坂浩二さん
  • 井上聞多(のち馨、栄一が民部省・大蔵省出仕時の民部大輔、大蔵大輔)=関口宏さん
  • 伊藤博文(栄一が民部省・大蔵省出仕時の工部大輔)=大和田伸也さん

  • 阪田彌左衛門=中村敦夫さん
    →実際には、のちの三菱財閥・岩崎弥太郎でしょう!

  • 西郷吉之助(隆盛)=金田竜之介さん
  • 岩倉具視=渡辺文雄さん
  • 木戸孝允=細川俊之さん
  • 大久保利通=井上孝雄さん

  • 一橋德川慶喜=片岡孝夫(現、当代(第15代)片岡仁左衛門)さん

― ◇ ◇ ◇ ―

放送日時は、7月15日(日) 12:20~14:00です。要チェックなさいませ!!

“心配ご無用!”NHK大河ドラマ「秀吉」DVD-BOXが発売!



平成8年(1996)に放送されたNHK大河ドラマ「秀吉」の完全版DVD-BOXが発売されています―

この「秀吉」は、平成8年(1996)1月7日から12月22日まで全49話が放送されたNHK大河ドラマの第35作目の作品です。

原作は堺屋太一さんの小説『秀吉~夢を越えた男~』をベースに、『豊臣秀長』『鬼と人と 信長と光秀』なども下敷きにして描かれた作品でした。

主な出演者には、

  • 豊臣秀吉=竹中直人さん


  • おね(秀吉の妻、北政所)=沢口靖子さん
    この時の北政所は従来の“糟糠(そうこう)の妻”タイプではなく、“賢夫人”タイプな感じでした。秀吉が戦に出た際、聚楽第(じゅらくてい)の城主=“女主(おんなあるじ)”みたいな感じかな…そして、名前も従来からの「ねね」ではなく、当時の最新研究成果である「おね」に統一されたんですよね。あれから15年が経ちましたが、ここ最近、「おねね」と書かれた書状も発見されましたので、今後、登場するドラマは詳細な歴史考証が必要とされます

  • 豊臣秀長(秀吉の異父弟)=高嶋政伸さん
    秀長の登場はNHK大河ドラマ「おんな太閤記」以来でしたが、この時は堺屋さんの原作『豊臣秀長』が世に出て間もない時期だった事もあり、色濃く反映してませんでしたが、この「秀吉」では高嶋政伸さんの好演にもより、味のある“秀長像”が生まれた感じです

  • なか(秀吉の母、大政所)=市原悦子さん
    この“かあちゃん”(笑)は最初は市原悦子さんのイメージ(=家政婦とか…)が先行していた事もあり、“くどいなぁー”って感じだったのですが、段々と終盤にさしかかるにつれ、“こういう「おかあちゃん」がダメ夫(竹阿弥)やダメ息子(秀吉)を後ろから音頭取りをしたから良かったんだな!”って思える演技に観えてきました。しかも、市原さんは最初から最後まで尾張弁で通されたので、余計味わい深かったです。昔、NHK大河ドラマ「黄金の日日」での秀吉(緒形拳さん)・ねね(十朱幸代さん)夫婦は2人の時は尾張弁での会話って演出でしたが、地域色が前面に出ていた分、心地よかったのを想い出されます

  • とも(秀吉の同父姉)=深浦加奈子さん
  • さと(秀吉の異父妹)=細川直美さん
  • 竹阿弥(秀吉の継父)=財津一郎さん

  • 浅野又右衛門(おねの養父)=宗近晴見さん
  • あさひ(おねの養母)=白川由美さん

  • 於次秀勝(秀吉の養子、織田信長の四男)=青木海さん
  • 秀次(秀吉の甥=ともの長子、のちに養子)=三国一夫さん
  • 石田佐吉(三成)=小栗旬さん→真田広之さん
    正直、この時の真田広之さんの三成が一番史実に近い石田三成を表現していて良かった気がします。五奉行としては末席のポジションであり、実際には奏者番として秀吉に面会を求める者に応対する役職…江戸幕府でいう、御側御用取次(→側用人)みたいなポジションが三成の役務だっった訳ですからね

  • 宇喜多八郎(秀家)=浅利陽介さん
  • 加藤虎之助(清正)=高杉亘さん
  • 福島市松(正則)=松田敏幸さん

  • 竹中半兵衛=古谷一行さん
  • 蜂須賀小六=大仁田厚さん
  • 前野将右衛門=長江英和さん
    『武功夜話』が世に出て以降、初めてNHK大河ドラマに前野将右衛門長康が登場しました!…とはいっても、やはり蜂須賀小六の影に隠れて印象度は低いものになっちゃいましたが―

  • 小寺(黒田)官兵衛=伊武雅刀さん

  • 前田利家=渡辺徹さん
  • おまつ(利家の妻)=中村あずささん

  • 織田信長=渡哲也さん
  • 吉乃(きつの)(信長の側室、信忠の母)=斉藤慶子さん
    吉乃も『武功夜話』が世に出て以降、初めての登場です。帰蝶(濃姫)が出ず、信長の愛妾として初めて登場した訳ですが、吉乃が亡くなった際の信長(渡哲也さん)・信忠(西川忠志さん)の涙の演技はすごく感傷的で印象深く憶えています

  • 奇妙丸→織田信忠(信長の長子)=西川忠志さん
  • 北畠信雄→織田信雄(信長の次子)=西川弘志さん
  • 神戸(かんべ)信孝→織田信孝(信長の三子)=佐伯太輔さん
  • 三法師(信忠の長子、秀信)=飯田綾真さん

  • 茶々(淀殿)=松たか子さん
  • お福(宇喜多秀家の母)=高瀬春奈さん
  • お市(信長の妹、浅井長政・柴田勝家の妻)=頼近美津子さん

  • 柴田勝家=中尾彬さん
  • 丹羽長秀=篠田三郎さん
  • 滝川一益=段田安則さん
  • 池田恒興=五代高之さん
  • 荒木村重=大杉漣さん
  • 森蘭丸=松岡昌宏さん

  • 安国寺恵瓊=中条きよしさん
  • 小西弥九郎(行長)=小西博之さん

  • 明智光秀=村上弘明さん
  • ひろ子(光秀の妻)=有森也実さん
  • 美(よし)(光秀の母)=野際陽子さん


  • 溝尾庄兵衛=今福将雄さん
    光秀にとり、流浪の頃からの股肱の臣だった溝尾庄兵衛をこれ又、今福将雄さんが味わい深く好演されました。光秀の最期、山城国宇治郡小栗栖で土豪たちに討たれそうになった時、必死に首は取らせまいとした溝尾庄兵衛の様態は心打つものがありました

  • 細川藤孝(幽斎)=浜畑賢吉さん
  • 細川忠興(藤孝の子、三斎)=小林滋央さん
  • たま(明智光秀の娘、忠興の妻)=田村英里子さん

  • 足利義昭(昌山)(室町幕府第15代将軍)=玉置浩二さん
    “意外に様になっていたなぁー”と感じたのは私だけ?そんな足利義昭を玉置浩二さんが演じられたと思います。むしろ、足利昌山となって以降の方が味わい深い!実際、義昭が信長に敗れて山城国から追放される際、秀吉が警護役をしてるし、意外と気心の知れた間柄だったやも?秀吉と昌山の蹴鞠シーンはそんな旧知の友同士な様態が表れていた気がします

  • 今川義元=米倉斉加年さん
  • 斎藤道三=金田龍之介さん
  • 浅井長政=宅麻伸さん
  • 徳川家康=西村雅彦さん
  • 本多正信=宍戸錠さん

  • 千宗易(利休)=仲代達矢さん
  • お吟(利休の娘)=仲代奈緒さん

  • がんまく(石川五右衛門)=赤井英和さん
  • おたき(五右衛門の妻)=涼風真世さん
の皆さんが競演されました。

この作品は、あくまでも豊臣秀吉の家族のホームドラマです。秀吉(竹中直人さん)は継父・竹阿弥(財津一郎さん)と馬が合わず、事あるごとに喧嘩ばかり…
そのくせ、2人ともになか(市原悦子さん)が心の安らぐ存在でした。そのなか(市原悦子さん)が亡くなって初めて、お互いの存在を認め合い、ようやく2人の間に親子愛が通い合った―というのが、ドラマの主題といったところでしょうか。

その昔のNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」もいわば、伊達政宗が生母・義姫(保春院)に認めてもらおうと遮二無二頑張った―という主題のホームドラマでしたが、その要素がこの「秀吉」にも大いに見え隠れしていた気がします。

各巻の構成及び各話タイトルは以降の通り…

◎第壱集(全7巻)
■第1巻
  1 太陽の子
  2 桶狭間の奇跡
  3 運命の花嫁
■第2巻
  4 黄金兄弟
  5 男の値段
  6 一夜城
  7 妻の秘密
■第3巻
  8 知らぬ顔の半兵衛
  9 猿のかく乱
 10 浮気いたし候
 11 絶体絶命
■第4巻
 12 比叡山焼き打ち
 13 極秘情報
 14 小谷落城
 15 どくろの盃
■第5巻
 16 隠し子発覚!
 17 かあちゃんと母御前
 18 切腹命令
 19 父の家出
■第6巻
 20 軍師の条件
 21 命の重さ
 22 母御前、はりつけ
 23 半兵衛の死
■第7巻
 24 左遷寸前
 25 温泉に行きたく候
 26 史上最大のお歳暮
 27 三成登場

◎第弐集(全6巻)
 28 高松城水攻め
 29 敵は本能寺
 30 信長、死す
 31 天下への道
 32 夢を継ぐ者
 33 光秀の首
 34 女の天下獲り
 35 美しき刺客
 36 家康vs秀吉
 37 天子様の御落胤!?
 38 黄金の茶室
 39 かあちゃん、人質
 40 誘惑
 41 決別の朝顔
 42 淀の子、誕生
 43 花戦さでござる
 44 秀長、逝く
 45 利休切腹
 46 母の悲しみ
 47 かあちゃんの死!
 48 五右衛門、釜ゆで
 49 夢のまた夢

待ちに待って16年、既にCSのチャンネル銀河では2月13日から再放送もされています。あの感動に再び…おススメです!

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※(関連)豊臣体制論(4)―「豊臣の子」→

NHK土曜ドラマ「遠雷と怒涛と」

CSの時代劇専門チャンネルにおいて、昭和57年(1982)3月から4月のかけて放送されたNHK土曜ドラマ「遠雷と怒涛と」がCS初放送として放映されます。

私は当時、高校2年生になったばかりで、いよいよ大好きな歴史の授業が受けられる、と期待に胸膨らませていた時期で、この作品も観ていたんですよね、実は…

しかし、断片的にしか記憶に残ってません!相当なインパクトがあったはずなのに…

私が小学校6年生の昭和52年(1977)に放送されたNHK大河ドラマ「花神」を観て、歴史にハマり、この時点で将来は歴史の勉強がしたい!と目標が定まったきっかけを与えてくれたのですが、この「遠雷と怒涛と」という作品も実はその方向性を指し示してくれた作品だったのです。

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「花神」を観て長州藩が好きになり、そこから司馬遼太郎氏の作品を読み出し、原作として引用された『世に棲む日々』、『花神』、『峠』、『十一番目の志士』などを読み漁りますが、同じ時期に父が購入していた小学館の『日本の歴史』シリーズを読み始め、その中の第24巻『明治維新』に出会います。執筆されたのが田中彰先生で、先生が書かれた脱退騒動や“隊中さま信仰”の話に興味が湧いたんですね。

さらに、奈良本辰也先生の著書も読んでいくうちに、奈良本先生が周防大島(山口県大島郡大島町)出身である事を知ります。

京都って、昔は割に部落・同和問題に関する授業が小学校から習ったりするのですが、奈良本先生の著作もその方面に関するものが多く、そこから吉田年麻呂(稔麿)の被差別部落民の登用策や維新団の結成など、武士階級に虐げられてきた下層階級の存在を知っちゃいます。

おかげで、周りの長州好きな連中とは話が合わなくなっちゃいました。みんなはやっぱり、幕末・維新期の幕府に立ち向かっていく長州(基本はもちろん「花神」ですけど…)が好きで、好きな人物は高杉晋作や久坂玄瑞が挙がるんですが、私は上記に挙げた“隊中さま”だったり、名もなき隊士に興味が変わっていき、むしろ維新期以降の長州の動きに注目するようになった訳です。

大学の史学専攻科に進み、広島や山口出身者と友達になり、彼らを通じて萩藩毛利氏に関する情報や知識を吸収したりして、夏休みには山口県文書館に通って、そこにしかない書籍を読み漁ったりしました。

そんな私への歴史への興味を促してくれた作品がこの「遠雷と怒涛と」という作品だったのです。

― ◇ ◇ ◇ ―

さて、前置きが長くなりましたが、本放送時にリアルタイムで観ていた割に断片的な映像しか憶えていないなんて、って感じですが、大学の史学専攻科の時、広島と山口出身者からマツノ書店の存在を知ります。ちょうど『定本奇兵隊日記』を発刊される記事だったかな…

そこで、会員となったら、マツノ書店から古書目録が送られてきました。その古書目録を探ってみると、こんな記載があったのです―(以下、引用)

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書名:遠雷と怒涛と
著者:湯郷将和
出版社:日本放送出版協会
価格:500円
刊行年:昭和57年
詳細:B6 248頁 天小口少ヤケ ▼激動の発火点・長州毛利藩には半官半民の鯨組があった。大山市之進は士分を棄ててこれに投じたが…。士族の誇りにこだわって反目しあう同志、妻タツの離別、やがて骨肉血で血を洗う「萩の乱」へと押し流されていく。明治維新史に欠落していた「普通の人びと」の息づかいを活写して、放送文学審査委員の高い評価を受けた力作。

―断片的な記憶で作品タイトルさえ忘れていた私でしたが、「もしかしたらこれじゃないかな?」と思い立ち、購入する事に決めました。

本が手許に届き、内容を読んでいくうちに、「間違いない、これだ!」と確信。

キーワードとなるものが定まると、後は雪崩のように見つかっていくもんで、作品が放送された年月日も把握でき、主な出演者も判りました。

さらに、「NHKって情報紙あったよな?」って事で図書館で調べると、『グラフNHK』を発見!そこでようやく「遠雷と怒涛と」の特集記事にお目にかかれた訳です。

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以下、「遠雷と怒涛と」の情報データです―

本放送時の日程は、
  • 第1回-昭和57年(1982)3月27日
  • 第2回-昭和57年(1982)4月 3日
  • 第3回(完)-昭和57年(1982)4月10日
って感じでした。

原作は、湯郷将和氏による同名タイトルの『遠雷と怒涛と』

ちなみに、湯郷将和氏は昭和63年(1988)に57才でお亡くなりになっています。

主人公にあたる人物が湯郷将和氏の曽祖父にあたる方をモデルに書きあげられています。

放送文学賞の第3回(昭和55年度=1980・4~81・3)受賞作品で、

幕末・維新期を背景にした物語には、知名度の高い人物にスポットをあてたものが多いが、この作品の主人公は、名も知れぬ長州藩の下級武士。

ドラマでは、長州藩の下級武士・大山市之進を中心に、維新という激動の時代の変革に遭遇し、否応なしに翻弄されていく人々の戸惑いや苦悩を描いた作品

となっています。

舞台設定としては、慶応2年(1866)に始まる四境戦争で長州藩が石見浜田藩(松平右近将監家=越智松平家)を攻めた石州口の戦い(益田戦争)から、明治3年(1870)の長州藩諸隊脱退騒動を挟んで、明治9年(1876)の萩の乱辺りまでが描かれます。

舞台は江戸時代、長州藩の公設処刑場である大屋刑場地や大屋検問所があった長門国阿武郡大屋村(現、山口県萩市大字椿大屋、萩市笠屋)と、長門市仙崎から北にわずか120m、仙崎湾にかかる仙崎大橋を渡った青海島おおみじまの東側に位置し、古式捕鯨の里でも有名な長門国大津郡仙崎通村(現、山口県長門市通)の通浦かよいうらという場所。

なかでも、通浦は江戸時代から捕鯨基地として発展した地。

通浦の鯨組(数百人を単位とした捕鯨組合組織)は延宝元年(1673)に長州藩に取り立てられて以降、明治41年(1908)まで235年間にわたって、古式捕鯨(網掛け突き捕り法=鯨を網に追い込んで、銛で突いて捕獲する網掛け突き取り方法によつ漁)を続けました。

同市仙崎出身の金子みすゞの詩歌「鯨捕り」の中には次のような一節が見受けられます―

 むかし、むかしの鯨捕 り
 ここのこの海、紫津しずが浦

 いまは鯨はもう寄らぬ
 浦は貧乏びんぼになりました

―通浦の鯨組の網頭(網元)であり、庄屋役を務めていた13代目・早川源治右衛門の家は「早川家住宅」として国の重要文化財に指定され、現存しています。

主な出演者の顔触れは―
  • 大山市之進=勝野洋さん

  • 市之進の父・松三郎=芦田伸介さん
  • 市之進の弟・末松=広岡瞬さん
  • 市之進の妹・ウメ(早川清太郎の妻となる)=宮崎美子さん

  • 市之進の長男・米蔵(タツとの間の子)=大塚利明くん
    →原作者の祖父にあたる

  • 市之進の先妻・タツ(片岡家の出、佐世八十郎の従妹→離別する)=竹下景子さん
  • 市之進の後妻・サヨ=宇都宮雅代さん

  • 市之進の叔父、松三郎の兄・又一(萩・明倫館の剣術師範)=下条正巳さん
  • 大山家の使用人・キヨ=鳳八千代さん

  • 庄屋&網頭・早川権左衛門=金田龍之介さん
    →おそらく、13代目・早川源治右衛門のモデル

  • 権左衛門のせがれ・清太郎=永島敏行さん

  • 鯨組の若年寄・勘助(磯部勘助)=北浦昭義さん
  • 勘助の妻・フク=木村夏江さん

  • 大屋検問所の番役人・周助=岡本信人さん

  • タツの実父・片岡伝右衛門=大木実さん
  • タツの実兄・片岡内蔵太=村野武範さん

  • サヨの実父・孫兵衛=加藤嘉さん

  • 大村益次郎=米倉斉加年さん
  • 神代こうじろ直人=深水三章さん
  • 木戸孝允=河原崎長一郎さん

  • 山田えい太郎(前原一誠の弟)=浜田晃さん
  • 奥平謙輔=内田勝正さん
  • 横山俊彦=伊藤高さん
  • 一誠の妻・綾子=千北谷和子さん

  • 市之進の従兄・佐世八十郎(前原一誠)=近藤正臣さん
放送日時は、
  • 第1回=3月17日(土)22:00~23:13(再放送:4月7日〔土〕25:00~)
  • 第2回=3月24日(土)22:00~23:13(再放送:4月7日〔土〕26:20~)
  •  第3回(完)=3月31日(土)22:00~23:13(再放送:4月7日〔土〕27:40~)
となっていますよ。

ホントに、ホントに待ち望んで、実に35年!1コマ1コマを鮮明に瞼に焼き付けようと思います!

― ◇ ◇ ◇ ―

※(参照)NHK大河ドラマ「花神」、新たに2話発掘される!
※(参照)待ちに待った「風が燃えた」、33年ぶりの再放送!
※(参照)映画「獄に咲く花」―松陰先生と久子女史を描いた物語
※(参照)NHK大河ドラマ「花神」第19話「上海みやげ」
※(参照)その時歴史が動いた「奇兵隊~幕末に命を賭けた若き庶民たち~」
※(参照)「長州ファイブ」
※(参照)すべてはこの時から―昭和52年!

手塚治虫の曾祖父を描く…BS時代劇「陽だまりの樹」

漫画家・手塚治虫氏が手掛けた長編歴史漫画の代表作であり、自らのルーツを描いた傑作マンガで昭和56年(1981)年4月から同61年(1986)12月まで『ビッグコミック』(小学館)に掲載されていた『陽だまりの樹』がこの度BS時代劇で描かれる事に―

時は幕末―天下太平の世の中にあって、何時の間にか内部から朽ち果ててしまっていた徳川幕府(※1)が終わりを迎えようとしているこの時代、開国から戊辰戦争、そして明治維新という大変革の時代の中、友情と絆で結ばれた対照的な2人の若者がいました…

1人は“義”に生きた男・伊武谷万二郎、腕は立つが無骨で真面目な性格が災いして世渡り下手な武士。倒れゆく幕府に忠誠を尽くそうとします。

もう1人は“情”に生きた男・手塚良庵、夢想家で女には滅法だらしないが腕利きの蘭方医…そして、原作者である手塚治虫氏の曽祖父にあたります。

それぞれの信念を貫き自らの人生を切り拓こうとした2人の若者が、藤田東湖・福沢諭吉・西郷隆盛など自分にとり影響を受けた歴史上の人物たちとの交流を経て、種痘所(後の西洋医学所、東京大學医学部の前身にあたる)の開設や黒船来航、戊辰戦争、西南戦争…と激動と混乱の時代を理想と現実に藻掻もがき苦しみながら精一杯生きる姿を描いた幕末青春群像作品。

※1 内部から朽ち果ててしまっていた徳川幕府
因みに、タイトルの「陽だまりの樹」とは、万二郎の心の師である水戸藩の学者・藤田東湖が、因習にとらわれ朽ちかけている幕府に対し、“幕府の内部(人材)は慣習に囚われた門閥で占められて倒れかけている”とたとえて言った言葉です。


さて、この『陽だまりの樹』は、TVアニメ化や過去4回の舞台上演がなされている作品で、

まず舞台上演が、平成4年(1992)、同7年(1995)、同10年(1998)に中井貴一さん、段田安則さん主演でなされています。

TVアニメ版は日本テレビ系で平成12年(2000)4月から2クール(全25話)放映され、 その中で舞台上演を務められた中井貴一さんがナレーションをなさったんですよね。

そして、今年4月に上川隆也さん、吉川晃司さん主演で舞台上演が決まっています。

主な配役陣は―
  • 伊武谷万二郎(常陸府中藩=現在の茨城県石岡市に存在した藩・陣屋=藩士)=市原隼人さん

  • 手塚良庵(江戸三百坂さんみゃくざか〔三貊坂〕=現在の東京都文京区小石川で小石川伝通院の裏あたり=の蘭方医、大坂・適塾で緒方洪庵に蘭学を学ぶ)=成宮寛貴さん

  • おせき(万二郎と良庵が想いを寄せる、元麻布善福寺=現在の東京都港区元麻布に建つ寺院、当寺院内にアメリカ合衆国公使館が設けられ、初代駐日本アメリカ合衆国弁理公使タウンゼント・ハリスらが在留した=住職の娘)=黒川芽以さん
    →おせきに一目惚れしたハリスの通弁官(通訳)・ヘンリー・ヒュースケンに暴辱された事で世をはかなみ、尼寺へ入ってしまう

  • 伊武谷千三郎(万二郎の父)=西岡德馬さん
    →良庵の護衛を引き受けるが、蘭学医を付け狙っていた楠音次郎により非命にたおれる
  • おとね(万二郎の母)=池上季実子さん

  • 手塚良仙(良庵の父)=笹野高史さん
  • お中(良庵の母)=古手川祐子さん
  • おつね(良庵の妻)=大塚シノブさん

  • お品(商家の娘、のち丑久保陶兵衛の妻)=笛木優子さん
    →安政の大地震で万二郎に命を助けられた縁で、万次郎に思いを寄せ妻になろうとするが、蘭方医の誤診で妻を不治の体にされた事を恨みを持つ丑久保陶兵衛に手込めにされ、身籠みごも

  • 綾(楠音次郎の妹、のち万二郎の妻)=大塚千弘さん
    →兄のかたきを討とうと伊武谷家に押し掛けるも、頭部を痛打した後遺症が原因で寝たきりとなってしまい、万二郎の手厚い看護で奇跡的に助かる

  • 丑久保陶兵衛(お品の夫)=小沢和義さん
  • 楠音次郎(綾の兄)=西ノ園達大さん

  • 多紀誠斎=目黒祐樹さん
  • 緒方洪庵(大坂・適塾の主宰者)=緒形幹太さん

  • 西郷吉之助(隆盛、薩摩藩士)=蟹江一平さん

  • 山岡鉄太郎(鉄舟)=尾関伸嗣さん
  • 勝麟太郎(海舟)=志村東吾さん
  • 坂本龍馬(土佐藩士)=賀集利樹さん

  • 藤田東湖(万二郎が敬愛して止まない水戸藩側用人、水戸学・尊王論の大家)=津川雅彦さん
の皆さんが競演されます。

各話タイトル(全12回)は以下のとおり―
  1. 若き獅子たち
  2. 恋の鞘当て
  3. 天地鳴動
  4. 異人との遭遇
  5. 父の仇
  6. 蘭方医対漢方医
  7. コロリと安政の大獄
  8. 求婚と暗殺
  9. 万二郎初陣
  10. 禁じられた愛
  11. 運命の分かれ道
  12. 獅子たちの旅立ち(最終回)

― ◇ ◇ ◇ ―


番組の主題歌になっている指田郁也さんの「花になれ」、すごくうたの表現も、フレーズも好きな感じ!合ってます!!

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※(参照)NHK土曜時代劇「桂ちづる診察日録」
※(参照)NHK土曜時代劇「咲くやこの花」