かつて天皇に代わって伊勢神宮の天照大神に仕えるために選ばれた斎王(さいおう・いつきのひめみこ)の選定方法などにスポットを当てた夏季企画展「斎王を選ぶ」が、斎宮歴史博物館(三重県多気郡明和町竹川)で催されています。
斎王は天皇が代替わりした時や、斎王自身の身内に不幸があった時にその都度、未婚の内親王または女王の中から選ばれました。
制度上、最初の斎王は天武2年(674)、壬申の乱に勝利した天武天皇が、勝利を祈願した天照大神に感謝し、娘の
以来、後醍醐天皇の時代に制度が廃絶するまでの約660年間、60人余りの斎王が天照大神に仕え、祈りを捧げてきたそうです。
どのようにして斎王が選ばれたのかについては、亀(アオウミガメとか)の甲羅を火で焙ってできたひび割れの形で吉凶を占う儀式である
企画展では、儀式の内容を取り決めた平安時代の法令集『延喜式』や占いが行われた場所を記した『大内裏図考証』、儀式や占いに関わった
また、歴史上60人余いたといわれる斎王のうち、卜定での選ばれ方が特徴的なエピソードを持つ8人の斎王を取り上げ、その時代的な背景とともに紹介されています。
歌人として知られ、“斎宮女御”と呼ばれた斎王「
卜定によって恋人・藤原敦忠との仲を引き裂かれた「雅子内親王」に関する平安時代の歌物語『大和物語』などもあり、それぞれの斎王の人物像に思いを馳せることができますよ。9月10日まで。月曜休館。詳しくは同館まで。
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