(トピックス)斎王を選ぶ方法紹介 斎宮歴史博物館で企画展

「斎王を選ぶ」展

かつて天皇に代わって伊勢神宮の天照大神に仕えるために選ばれた斎王(さいおう・いつきのひめみこ)の選定方法などにスポットを当てた夏季企画展「斎王を選ぶ」が、斎宮歴史博物館(三重県多気郡明和町竹川)で催されています。

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斎王を選ぶ儀式を紹介する絵巻やパネルが並ぶ会場

斎王は天皇が代替わりした時や、斎王自身の身内に不幸があった時にその都度、未婚の内親王または女王の中から選ばれました。

制度上、最初の斎王は天武2年(674)、壬申の乱に勝利した天武天皇が、勝利を祈願した天照大神に感謝し、娘の大伯おおくの皇女ひめみこを神に仕える御杖代みつえしろとして伊勢に遣わしたことに始まります。

以来、後醍醐天皇の時代に制度が廃絶するまでの約660年間、60人余りの斎王が天照大神に仕え、祈りを捧げてきたそうです。

どのようにして斎王が選ばれたのかについては、亀(アオウミガメとか)の甲羅を火で焙ってできたひび割れの形で吉凶を占う儀式である亀卜きぼくを用いた「卜定ぼくじょう」によって、その皇女が斎王に適するか否かを占ったという。

企画展では、儀式の内容を取り決めた平安時代の法令集『延喜式』や占いが行われた場所を記した『大内裏図考証』、儀式や占いに関わった神祇じんぎ官などが斎王の名を紙に書いたとされるすずりや、封をするのに使った小刀が描かれた絵巻『類聚雑要抄図巻るいじゅうざつようしょうずかん』巻4など、主に江戸時代の版本や写本など図解で分かりやすく紹介したパネルなど33点の資料が展示されていて、様々な観点から「斎王を選ぶ」様相に迫っています。

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斎宮女御が斎王に選ばれた経緯や関連する美術品を紹介するコーナー斎王の選定方法について詳しく紹介した企画展「斎王を選ぶ」

また、歴史上60人余いたといわれる斎王のうち、卜定での選ばれ方が特徴的なエピソードを持つ8人の斎王を取り上げ、その時代的な背景とともに紹介されています。

歌人として知られ、“斎宮女御”と呼ばれた斎王徽子よしこ女王」は、朱雀天皇の時の斎王に不幸があった後、天皇の姉妹を斎王候補にできず、めいという遠い血縁関係にありながら選ばれた経緯が紹介されいて、“斎宮女御”の姿が描かれた『三十六歌仙図画帖』や掛け軸も並べられています。

卜定によって恋人・藤原敦忠との仲を引き裂かれた「雅子内親王」に関する平安時代の歌物語『大和物語』などもあり、それぞれの斎王の人物像に思いを馳せることができますよ。9月10日まで。月曜休館。詳しくは同館まで。

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