朝鮮戦争の真実

朝鮮戦争

第二次世界大戦が20世紀を半分以上残して終結した時、世紀後半の世界史の殆んどが米ソ両陣営の「冷戦」に費やされようとは誰が予想した事でしょう。

「冷戦」の正面はヨーロッパでした。その地での衝突は、ベルリン危機にせよキューバ危機にせよ、人類絶滅戦争の一歩手前で回避されました。

しかしながら、その裏庭であるアジアでは両陣営を背にした地域限定戦争が、朝鮮半島ベトナムで苛烈したのです。

なかでも朝鮮戦争は、第二次大戦終了後、新たな世界秩序が構築されようとする時期に起こった世界史的最大の事件と言ってもいいでしょう。

その朝鮮戦争が、何故誰によって始められたのか、その多くが謎の中にありました。

北が侵攻した、否、南が先に挑発した…等どちらとも言えない状態が長く続いていたのです。

やがて北の華々しい南進の成功は、準備なしには不可能だとの認識が一般化しました。

では、スターリンの策謀が事を動かしたのか、中国革命に成功した毛沢東の主戦論が引っ張ったのか、それとも金日成の自作自演だったのか…冷戦下では不分明のままでした。

しかし近年、冷戦構造終結に伴う共産圏諸国のの資料公開により、朝鮮戦争の実体があきらかになってきました。

まず、朝鮮戦争の提唱者は金日成である事、「わが手で(半島を)統一させて下さい」と執拗にスターリンに懇請していたのです。スターリンは対米関係を破綻させ、ソ連に危険を招くわけにはいかないと初めのうちは抑えていましたが、1950年(昭和25)4月、遂に許可を下します。

その背景には前年、1949年(昭和24)の中華人民共和国の成立が、共産圏側に自信とはずみを与えていたようです。

夢としか思えなかった自国の革命に成功すると、続いて世界も変える事ができるとの妄想が芽生えてしまったんですね。

もっと言えば、南の方も北と同じように狙っていた事実、すなわち韓国李承晩も北進を叫び、挑発行動を繰り返して、アメリカを引きずり込もうとしていた形跡があったようです。

小国が大国を引きずり巻き込んだ世界大戦の苦い教訓が生かされていない現実。そうして生まれた「冷戦」構造。こうした歴史は二度と繰り返さないようにしなければいけません―


 

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