(トピックス)丹後弁と名古屋弁、どエリャー似とるで 京丹後市教委が研究結果発表

発刊された調査事業報告書『丹後・東海地方のことばと文化』

京都府京丹後市と市教育委員会は26日、京都府北部の丹後地域で話される「丹後弁」と、名古屋を中心に使われる「名古屋弁」は共通する言葉が多く、類似性があるとの調査結果を愛知県庁で発表しました。

調査を担当したのは、同市大宮町出身で龍谷大学の糸井通浩名誉教授(日本語学)や京都文教短大の安本義正学長ら言語学、考古学などの研究者7人で、地元の方言約1700語と「名古屋弁」を比較・調査した内容を基に執筆され、方言と文化・交流の2章で構成しています。

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報告書では両地方の方言の類似点として、
  1. 「赤い」が「アキャー」、「うまい」が「ウミャー」、「えらい」が「エリャー」など母音が「a(ア)+i(イ)」と重なる部分が子音+半母音の拗音(ようおん)になる事=二重母音の使い方
  2. 「きょうは雨降りだで」「遊びに行ってくるで」など理由、念押しを表す接続助詞、終助詞「で」の使い方
  3. 「書く」など動詞の否定形の表現を、「〜ない」ではなく「〜ん(へん)」を使用して「書かん(書かへん)」という言い方を使用する
など二重母音の発声法や文法面で多くが共通する事を挙げています。さらに、アクセントも京丹後市は西日本に位置しながら、尾張地方と同じ関東式だそうです。

方言が似た要因については、方言は文化の中心から同心円状に広がるという説がある。すなわち、京都で生まれた新しい言葉が同心円状に東西南北へ広まり、古い言葉ほど遠方で使用されるとした民俗学者、柳田国男氏方言周圏論だ。平安時代の首都であった京都から名古屋と丹後は共に100q程離れており、この仮説に当てはまる。

また、戦国時代から江戸時代にかけて丹後地域を支配した一色氏細川氏京極氏などのルーツが尾張周辺地域で、一族の移動と共に方言も伝わった可能性も推測でき得るといいます。

市と市教委は「方言がなぜ類似しているか分からないため、本年度の途中から更に3か年かけて両地域の共通性について継続調査を実施したい」と発表した。調査報告書『丹後・東海地方のことばと文化〜兄弟のようなことばを持つ両地方〜』はA4判132頁。千部製作、価格は500円。市内の書店で27日から販売する。問い合わせは市教委文化財保護課まで。

 (目次)
 第1章   丹後・東海地方の方言
  第1節  【概説】丹後方言の特徴(糸井通浩執筆)
  第2節  愛知県方言(鏡味明克執筆)
  第3節  〈丹後弁〉と〈尾張弁(名古屋弁)〉の類似性(糸井通浩執筆)
   ※   〔参考資料〕尾張弁(名古屋弁)と丹後弁の共通言い回し
  第4節  丹後方言と名古屋市方言の共通語彙(鏡味明克執筆)
  第5節  丹後弁と名古屋弁の方言会話(井上正一・鏡味明克執筆)
 
 第2章   丹後・東海地方の文化と交流
  第1節  丹後・東海地方をめぐる土器の交流〜弥生時代から古墳時代へ〜(高野陽子執筆)
  第2節  青銅器文化から観えてくる北近畿・東海地方の交流(赤塚次郎執筆)
  第3節  丹後と尾張の赤米(古代米)について(安本義正執筆)
  第4節  伊勢神宮外宮と豊受大神、丹後国風土記の伝承(荊木美行執筆)
  第5節  『海部氏系図』の基礎的研究(鈴木正信執筆)


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posted by 御堂 at 15:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史:コラム
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