「花の乱」


時代劇専門チャンネルNHK大河ドラマ「花の乱」がスタートしました。この「花の乱」は平成6年(1994)4月から12月に放送された作品です。

室町時代中期、室町幕府第8代将軍・足利義政の正室、日野富子の生涯を通して同時代を描いた作品です。

NHK大河ドラマで、室町時代を描いた作品としては「太平記」(平成3年=1991)が鎌倉幕府末期から足利義満誕生までを、「毛利元就」(平成9年=1997)が足利義尹(義稙)を要して入洛する大内義興政弘の子)辺りから描かれているので、この「花の乱」がその間を埋める作品と考えてよいでしょう。

室町時代を描く作品はなかなか少なく、僕の仲間内でもこの辺りが放送されるとなると、喜び勇んで注目してた作品です。

時代背景的には、東山文化のあたりですね。京都の時代祭でも「室町時代行列」が新しく設けられるようですが、京都への貢献度大!とすれば、北山文化とこの東山文化が一番認められるところ…どーやら、六角征伐に向かう9代将軍・足利義尚の煌びやかな行軍の様子が「室町時代行列」に採用される見込みなのですが―(一方で、室町幕府の開設者である足利尊氏を!という声も他県から聞こえるようですが、京都人にとってみれば足利尊氏は戦乱を京都にもたらしめた張本人であっても、京都の文化に貢献した人物とはいえないですよね!それならば、寧ろ東山文化を華開かせた足利義政をこそ注目すべきだと感じます。彼が造った東山山荘〔のちの慈照寺銀閣など〕は日本間の始まりとして建築史では捉えているし、庶民文化の発祥点としても着眼するべき人物なはず!日本人って、歴史を政治史的観点で視る傾向があります。そうじゃなく、文化でもって後世の私たちに影響をもたらした人物こそ一番注目を置く必要があると思うんですけどね…)

【主な出演者】
・伊吹椿、のち日野富子=村嶋亜矢香さん→松たか子さん→三田佳子さん
…松たか子さん、大河デビュー作ですね!
・足利義成(のち義政)=西谷卓統さん→市川新之助(7代目、現市川海老蔵=11代目=)さん→市川團十郎(12代目)さん
・義政、富子の子、足利義尚=高田遼太さん→井上孝幸さん→松岡昌宏さん(TOKIO)
…松岡昌宏さんもこれが大河デビューですね!!
・足利義教=小林勝也さん
・義教室、義政母、日野重子=京マチ子さん
・僧義尋(還俗して、足利義視)=佐野史郎さん
・義視室、日野松子=久我陽子さん
・義視の子、足利義材(のち義稙)=根岸健太さん→大島一貴さん→大沢たかおさん
・僧清晃、足利義遐(のち義澄)=羽江幹朗さん

・椿、富子の母、日野苗子=平淑恵さん
・日野勝光=草刈正雄さん
…ここから、草刈正雄さん、悪役づいてマス(笑)
・日野有光=夏八木勲さん

・日野富子、椿(富子)の妹、のち一休宗純の愛人、森侍者しんじしゃ=大野麻耶さん→檀ふみさん
・椿の実父、酒呑童子=松本幸四郎(9代目)さん

・室町幕府管領、応仁・文明の乱の際、東軍総大将、細川勝元=野村萬斎さん
・勝元の子、明応の政変でクーデターを起こす、細川政元=立川大和さん→今井雅之さん
・室町幕府侍所所司、応仁・文明の乱の際、西軍総大将、山名持豊(宗全)=萬屋錦之介さん
…萬屋錦之介さんの遺作となってしましましたね。
・室町幕府管領、山城国・河内国守護、畠山政長=赤羽秀之さん
・河内国守護、畠山義就=永澤俊矢さん
・山城国守護、伊勢貞親=北村総一朗さん
・山城国守護、貞親の子、伊勢貞宗=長森雅人さん
・室町幕府政所執事代、蜷川親元=伊東達広さん
…アニメ「一休さん」の蜷川新右衛門のモデルである蜷川親当の子
・京都所司代、多賀高忠=草薙良一さん

・播磨守護、嘉吉の乱で義教を弑す、赤松満祐=喜多九州男さん
・最初の戦国大名、越前守護、朝倉孝景=林邦史朗さん
・周防・長門守護、大内政弘=藤岡弘さん
・近江国守護、六角高頼=山本龍二さん

・伏見宮系、後花園天皇=大出俊さん
・後花園天皇の東宮、後土御門天皇=川野太郎さん
・摂政・関白、義尚の教育係、一条兼良=内藤武敏さん

・後小松天皇の庶宮、臨済宗大徳寺派の僧、一休宗純=奥田瑛二さん

・山城国椿の庄の国人、伊吹三郎信綱=黒田勇樹さん→役所広司さん
・三郎の父、伊吹十郎太=勝野洋さん
・最初の足軽大将、骨皮道賢=ルー大柴さん
・細川家被官、讃岐国守護代、安富元綱=谷川竜さん
・山城国狛野荘の国人、狛秀盛=鳥木元博さん

・義政の側室、大館佐子、のち蛍火=鶴田真由さん
・義政の乳母、大館満冬の女、今参いままいり局=かたせ梨乃さん

【作品データ】
・第1話  「室町夢幻」
・第2話  「火の橋水の橋」
・第3話  「月と銅銭」
・第4話  「夢草紙」
・第5話  「富子姫変化」
・第6話  「徳政一揆」
・第7話  「女合戦」
・第8話  「飢餓地獄」
・第9話  「米狂言」
・第10話 「将軍の母」
・第11話 「逢魔が時」
・第12話 「地獄門」
・第13話 「和子誕生」
・第14話 「宗全謀反」
・第15話 「文正の変」
・第16話 「富子対義政」
・第17話 「応仁元年」
・第18話 「室町第包囲」
・第19話 「東軍西軍」
・第20話 「戦雲の都」
・第21話 「火の舞」
・第22話 「鬼面」
・第23話 「密命」
・第24話 「修羅の華」
・第25話 「宗全切腹」
・第26話 「勝元暗殺」
・第27話 「花の御所炎上」
・第28話 「銭の種」
・第29話 「椿の庄」
・第30話 「悪女」
・第31話 「恋情」
・第32話 「狂雲の子」
・第33話 「銀色の夢」
・第34話 「山城国一揆」
・第35話 「露の命」
・第36話 「大文字」
・第37話 「風花」(完)

僕個人が思う、この作品でのポイントは、

・京都(しかも、南山城)が舞台であること
日野有光後南朝遺臣たちによる「禁闕の変」を描いていること
応仁・文明の乱を描いていること
山城国一揆を描いていること
戦国時代のスタートライン(=明応の政変)を描いていること

に集約されるでしょう。番組的には番組平均視聴率14・1%と低迷したようですが、僕は視聴率が低いほど、“ホンモノ”志向(=研究者向き)と思っているし、人物相関関係も複雑だと言われていましたが、僕はそういう作品ほど、むしろ簡単で易し過ぎる―ので、もう一癖も二癖もひねっても良かったのに!と感じています。

面白いのは、時代考証が今谷明先生、風俗考証が二木謙一先生である事も特筆すべき点ですね。

また音楽は三枝成彰さんが担当されておられます。「太平記」でも担当されておられたのですが、耳に心地良いメロディが作品を映えさせてくれます。

この作品の思いとしては、京都が舞台とはいっても、椿の庄に代表されるように、南山城(久世郡・綴喜郡・相楽郡)という地域の地方史を描いた作品として優れたものと理解しています。

さて、伊吹三郎椿(日野富子)の育った椿の庄は一体どの辺りなんだろう?って頭をよぎります。(もちろん、物語では架空上の設定ですが…)

確か番組中の地図による説明では木津川を挟んで木津城の上(=北)に位置していたと思います。

そーなると考えられるのが、上狛環濠集落を拠点とする狛氏か、椿井城を拠点とする椿井氏って事になると思います。しかし、上狛環濠集落を収めていた狛山城守秀盛は登場しているので、ならば三郎のモデルは椿井氏なのかな?とも考えました…

僕の結論としては、没落の感じが狛氏のそれと似ているようですが、まぁ両方が合わさった感じ?として方が良さそうですね。

ただ前述した狛山城守秀盛の長子に三郎左衛門尉という人物がいたりしますが、この人物をイメージしておきましょう!

室町時代を含め中世という時期を観るポイントは、感性豊かになること!―例えば、「武田信玄」(昭和63年=1988)を観る場合でも、“山の神、水の神”という民俗学的視点で観ると、とてもわかりやすかったのですが、この「花の乱」でいえば、金閣のような見せ掛けの華やかさを美しいと思うか、銀閣竜安寺のような禅寺の風情こそ美しいと思うか、で作品を観る眼が異なると思いますよ!!


この記事へのコメント

  • Gくん

    こんばんは!
    イエイエ、ぼくはただの歴史「好き」御堂様は歴史通でしょう。
    マイナー傾向は、わかります。メジャーなところは食い尽くして、マイナーなところに新たな発見や感動を求めています(小生の場合)。
    2009年01月16日 20:40
  • 御堂

    Gくんさん、こんばんは!
    僕もGくんさん同様に歴史が大好き(ちょっとマイナー傾向ですが…笑)なのでこれからもヨロシクです!
    2009年01月15日 22:19
  • Gくん

    こんばんは!御堂さま!
    一介の歴史好きです。わたくしごときに返信ありがとうございました。
    2009年01月15日 20:55
  • 御堂

    Gくんさん、こんばんは!
    来訪&コメント、ありがとうございます。

    最近の時代劇は数字を気にしてばかりなので、有り得ないエピソードでさえ“あり”になってしまう状況に首をかしげてしまいますね!
    2009年01月14日 22:00
  • Gくん

    こんにちは!
    >視聴率が低いほど、“ホンモノ”志向・・
    同感です。
    明応の政変のところは、見落としました。
    2009年01月14日 14:58

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