「李香蘭」

「李香蘭」

香蘭こうらんLI,リーXianglanシャンランという人物を知っていますか?

昭和初期、満州の奉天(現、瀋陽)に日本人として生まれながら、養女に出され中国人女優、中国人歌手として歴史のうねりに翻弄されながら数奇な運命をたどった1人の女性―日本と中国の狭間で生きた“アジアの歌姫”李香蘭

そんな彼女が日本の敗戦によって九死に一生の思いで引き揚げてくるまでの波乱の半生を描くドラマが作られます。

来春のテレビ東京系2夜連続ドラマスペシャル「李香蘭」です。

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李香蘭―本名、山口淑子さん。

戦後日本に帰国し、女優やテレビ司会者(「3時のあなた」)として活躍する一方、参議院議員も務めた彼女の自著『李香蘭 私の半生』『「李香蘭」を生きて 私の履歴書』などをベースに描かれる模様。

―◇ ◇ ◇―

季香蘭こと山口淑子さんは大正9年(1920)、撫順に生まれます。

父は日露戦争後中国大陸に渡り南満州鉄道株式会社(満鉄)に就職、その後撫順炭鉱に転職します。

しかし、抗日デモに巻き込まれた父は撫順には居づらくなり、友人である中国人の李際春を頼って奉天(現、瀋陽)に移り住みます。

李際春という人物は親日派満州軍閥の元将軍であり、瀋陽銀行の総裁の地位にありました。

淑子たちは李際春の第2夫人の家に住みます。第2夫人の面倒を見る代わりに家賃はただとういう条件で―

淑子は、父から、そしてこの第2夫人との生活の中から中国語(北京語=普通話…標準語)の教育を受けるのです。

さらに、中国では親しい友人とは義兄弟を誓ったり(←“桃園の誓い”みたく…)、友人の子を養子にもらう習慣がありました。淑子は李際春の養女となり、李の姓と香蘭という名前を貰いました。

李香蘭という名前の誕生です。

主な配役陣は次の通り―
  • 李香蘭(山口淑子)(14歳~26歳)=上戸彩さん


  • …過去に僕が観たテレビドラマで李香蘭を演じた女優さんは、『さよなら李香蘭』(平成元年=1989)の沢口靖子さん、『流転の王妃・最後の皇弟』(平成15年=2003)での天海祐希さんが印象的でしたね。

    主演映画は勿論の事、「蘇州夜曲」や「夜来香」「何日君再来」など懐かしい大ヒット曲も随所に盛り込んで時代を再現されるようですよ。


    なかでも、20歳で初来日した際、有楽町の日劇を7周半のファンがとりまいたという伝説の「7周半事件」のエピソードも描くのだとか―

    これは、李香蘭として初来日した昭和16年(1941)2月11日に起こりました。

    “歌う李香蘭”を一目観ようと、日劇に押し寄せた観客は実に10万人。早朝から人がチケット売り場に並び、開演の頃にはまだチケットを買えない群衆がぐるりと日劇を取り囲む事7回り半―

    入場できない人たちが暴動を起しそうになり、それを鎮めるため警官が出動する程の騒ぎになったり、日劇の隣りに社屋のあった朝日新聞社などは、押し寄せる群衆に公用車を壊されてちゃう始末だったそうです。

    面白いのは、東京帝国大学法学部の期末定期試験の問題で「日劇七まわり事件について記せ」という課題が出題され、当時3年生だった宮沢喜一元首相などは「自由を求める大衆の心理を如実に示す実に痛快な出来事である」と回答し「優」をもらったそうです(笑)
  • 李香蘭(山口淑子)(70歳あたり…)=野際陽子さん


  • 李香蘭の父、山口正雄=橋爪功さん

  • 李香蘭の母、山口アイ=名取裕子さん


  • 撮影中に役に入りすぎて、思わず李香蘭を引っ叩いちゃったという、長谷川一夫に中村福助さん。

  • 中国・清王朝の末裔の身でありながら、時代に翻弄されちゃう“東洋のマタハリ”“男装の麗人”川島芳子(愛新覚羅顕●(王+子)に菊川怜さん。
  • …「さよなら李香蘭」(平成元年=1989)では山田邦子さんが、「流転の王妃・最後の皇弟」(平成15年=2003)では江角マキコさんが演じてらっしゃいましたね。菊川怜さんが川島芳子の影のある部分を表現してくれたら、観応えがあるんだけどなぁー。
  • 満州映画協会理事長として、満州国を影で支えたフィクサーとして“甘粕帝国”と言わしめた、甘粕正彦に中村獅童さん。
  • …同じく、「さよなら李香蘭」では片岡鶴太郎さんが、「流転の王妃・最後の皇弟」では竹中直人さんが演じておられます。正直、中村獅童さんでは若すぎる…かな?最期の服毒自殺のシーンは満州帝国の崩壊を表現するシーンだから、一番の見処なのに…
といった顔ぶれです。

全体的に配役の皆さんが若すぎる(=人生に重みを持ってない)気がしますが、そこはどう演じきってくれるのか、楽しみなところでもありますね。


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