「不射之射」

「不射之射」01 「不射之射」02

川本喜八郎さんをご存知でしょうか?アニメーション作家であり、人形芸術家でもある川本さん。

僕が初めて知ったのはNHK人形劇「三国志」(昭和57〜59年)です。劉備や関羽、張飛、趙雲、諸葛亮など…僕に「三国志」の世界に導かせてくださった作品でもあります。

番組放送時、徳間書店から文庫版として『三国志演義』(全8巻)を買いました。立間祥介さんが訳された内容で、各巻の表紙を川本さんが作られた人形たちが飾っているのです。

番組自体は諸葛亮が五丈原で亡くなり、「死せる孔明、いける仲達を走らす」を描いて、その後の歴史をナレーション説明で終わらせたのですが、文庫版の第8巻の表紙には、ちゃんと三国時代を終焉させた晋の皇帝・司馬炎の人形が飾っているんですよね。

これは貴重でしょ!(文庫版は絶版だとか…)

この人形劇「三国志」の後も数々の人形アニメーション映画を次々と発表されておられますが、「平家物語」(平成5〜7年)も記憶に新しいところ―

さて、今回、そうした川本さんの人形アニメーションの仲でも短編ですがすごく印象に残っていた作品に再び巡り合えました。

その作品とは「不射之射」(昭和63年)というものです。ほぼ18年ぶりに視聴したのかな…

この「不射之射」は、中国との合作による作品で、中島敦氏の『名人伝』を作品化したもので、大筋はこんな感じ―

春秋戦国時代の中国の趙という国の都・邯鄲という所に紀昌という弓の名手がいました。

彼は天下一の弓使いを目指すために飛影という弓の名手に師事をし、厳しい修練を重ね、ついには百発百中の腕前になります。

ある時、紀昌は“天下一の弓使い”になるには師の飛影が邪魔という邪念にかられ、勝負をしますが、両者の放った矢が相撃ちとなり引き分け―

師の飛影は紀昌に甘蝿老師という古今稀な弓の名手を訪ねるよう勧めます。

紀昌は甘蝿老師を訪ね、教えを請います。

甘蝿老師は弓も矢も持たずに石の上に立ち、矢を射る真似をすると、空から鳶が落ちてきました。これを“不射之射”といい、“射之射”ではなく“不射之射”を知らなければならない―と諭します。

紀昌はそれを極めようと修練を積み、ついに、弓を使わずとも矢を射る、という究極の奥義“不射之射”を身につけるのです。

修行が終わって下山してきた紀昌はそれ以降、決して弓矢を射ることをしなくなりました。

ある夜、彼の家宅に泥棒が塀を登って侵入しようとします。

紀昌は“不射之射”でもってその泥棒を塀の外に追いやるのです―
ナレーションはもちろん、登場人物全てのセリフを担当した橋爪功さんの上手さもストーリーを際立たせていたと思います。



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posted by 御堂 at 20:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史:ドラマ
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