NHKドラマ人間模様「國語元年」

懐かしいドラマが再放映されます―

NHK総合で昭和60年(1985)6月8日から7月6日まで、「ドラマ人間模様」シリーズ枠の中で放送され「國語元年」というテレビドラマです。

故井上ひさし氏による脚本・戯曲で、

明治7年、文部省官吏・南郷清之輔は「全国共通はなしことば」の制定を命じられた。まるで織田信長や太閤秀吉の天下統一にも比すべき大事業!家族や奉公人使う日本各地の方言が溢れる中、共通の話し言葉を作るため、日夜苦心を重ねる南郷の悪戦苦闘ぶりを、彼の家宅を舞台に繰り広げられた悲喜劇を描いた作品です。

主な登場人物としては、
  • 南郷清之輔=川谷拓三さん
    長州出身で南郷家に婿養子。文部省学務局の四等出仕という高い地位にある。全国統一話し言葉の制定を命ぜられ、試行錯誤を重ねるものの、失敗。上司の文部少輔田中不二麿に激しく叱責された事が本で発狂し、東京癲狂院へ収容され、明治27年(1894)秋に病死
  • 南郷重左衛門=浜村純さん
    薩摩出身。清之輔の義父で、薩摩への愛着がひとしお強い。清之輔発狂後、光・重太郎らと共に鹿児島へ戻る。明治10年(1877)に起こった西南戦争に参加、田原坂で討死
  • 南郷光=ちあきなおみさん
    重左衛門の娘で、清之輔の妻。薩摩出身。おっとりした性格をしている。清之輔発狂後、鹿児島へ移住。明治13年(1880)に病没
  • 南郷重太郎=岡田二三くん
    清之輔と光の息子。薩摩の言葉を話す。悪戯好きで、ふみやちよたちを度々困らせる。南郷家離散後、鹿児島へ移住。日清戦争に出征し、明治27年(1894)に旅順口で戦死
  • 秋山加津=山岡久乃さん
    南郷家の女中頭。元は旗本の奥方で南郷家の屋敷に住んでいたが、夫が彰義隊に参加したため没落。江戸山の手言葉を話す。南郷家離散後、重左衛門らに付き従って鹿児島へ移住。裁縫の腕前を活かして和裁教室を開き、明治20年(1887)死去
  • 築館弥平=名古屋章さん
    遠野出身。「い」と「え」の区別ができない。馬丁だったが、明治維新以降は車夫となり、清之輔を役所まで送迎するのが仕事である。清之輔が役所から戻った時、屋敷の皆にそれを知らせる役を担っていた。南郷家離散後、清之輔が収容された東京癲狂院で明治28年(1895)まで雑用係をしていたが、その後は消息不明
  • 広澤修一郎=大橋吾郎さん
    南郷家の書生。尾張名古屋の士族の次男。南郷家離散後、明治14年(1881)に東京で代言業を開業し、翌15年(1882)にとある花魁(=ちよ)と心中
  • 江本太吉=松熊信義さん
    津軽出身らしいが記憶喪失。南郷家離散後、明治16年(1883)に領国で大食い大会に参加した折、突然の心臓病で死去
  • 御田ちよ=島田歌穂さん
    南郷家の女中。江戸の下町出身のため「ひ」と「し」の区別ができない。また、読み書きができない。南郷家離散後、花魁になり、明治15年(1882)に客の若い男(=広澤修一郎)と心中
  • 高橋たね=賀原夏子さん
    南郷家の女中。浅草出身で吉原で働いた過去がある。その為「ひ」と「し」の区別ができない。また、読み書きもできない。口は悪いが人は良いお婆さん。南郷家離散後、再び吉原に戻って飯炊き女として過ごす。没年は不詳
  • 大竹ふみ=石田えりさん
    南郷家の女中。米沢出身のため「い」と「え」の区別ができない。読み書きができ、米沢の両親に手紙を書く。その手紙がナレーションを兼ねている。南郷家離散後、酒造業を営む家に嫁ぐ。昭和14年(1939)、老衰により死去
  • 裏辻芝亭公民=すまけいさん
    京都の公家出身の国学者。全国統一はなしことば作成を聞き付けて南郷家に押し掛け、居候している。お調子者で、居候の割に態度がでかく、清之輔以外の人達からは嫌われている。南郷家離散後、明治35年(1902)に西園寺公望邸の書生部屋で病死
  • 若林虎三郎=佐藤慶さん
    会津出身。元は南郷家に押し込みに入った強盗。全国統一はなしことばを作る事には賛成だが、物事の本質をついた様々な反対意見を述べる。南郷家離散後、自由党に参加。明治15年(1882)に起こった福島事件にて行方不明
各話の構成は、
  • 第1話
    時は明治7年(1874)。南郷清之輔は、全国統一の話し言葉の制定という大事業をお上から命じられる。清之輔の屋敷では、清之輔の長州弁をはじめ、薩摩、名古屋、津軽、江戸など、8つもの方言が飛び交っていた…
  • 第2話
    南郷家の人々のお国訛(なま)りを調べた清之輔は、言葉の大混乱の最大の原因は、各人が勝手に音を発音しているという事を発見する…
  • 第3話
    お国訛りを直すには、口形練習しかないと張り切る清之輔だったが、意外な問題が起ち上がった…
  • 第4話
    清之輔は、各地から集まってくる明治新政府の高官たちの使う訛りを採り入れ、全国統一の話し言葉を決めれば、高官も喜び、その後押しで早く流行らせる事が出来る事に気付くが…
  • 第5話(最終話)
    清之輔が寝食を忘れて作り上げた「全国統一話し言葉」の完成の日が遂にやって来た。京言葉、東京山手言葉、鹿児島言葉、山口言葉を各々200語ずつ選んだ力作であったが…
となっています。

放送日時は、NHK-BS2で12月27日(月)午前0時20分~4:20(26日深夜)

なお、スタジオゲストとして大竹ふみ役だった石田えりさんが出演されるとか―

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すごく懐かしく、とても面白い作品が再び観られるとは嬉しい限りですね。作品が放送された昭和60年(1985)と言えば、ちょうど一浪中(予備校浪人)だったのですが、昭和のテイストをふんだんに鏤めた脚本・演出だった感じです。さすが井上ひさし氏というところでしょうか!?

清之輔(川谷拓三さん)の実直さは勿論ですが、光(ちあきなおみさん)のすっとぼけた感じも味わいがあって良かったです。

また、加津(山岡久乃さん)や弥平(名古屋章さん)などベテランさんたちが活き活きと立ち回っていたのも観ていて安心できます。

その中でも、一番印象深かったのが虎三郎(佐藤慶さん)ではなかったでしょうか!会津生まれという設定ですが、佐藤慶さんにすればご当地の会津若松生まれでいらっしゃったので、会津弁が一番マッチした配役って感じで、観ていて温かな印象を受けた記憶があります―

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