ヒューマンドキュメンタリー「ふたりの14歳〜ボッチャ 自立への階段〜」

ボッチャの練習をする高阪大喜くん(左)と松永楓さん(右)

何気にTVのチャンネルを押すと、いきなりこんなタイトルの番組が―

ヒューマンドキュメンタリー「ふたりの14歳〜ボッチャ 自立への階段〜」(NHK総合)

重度の障害や難病のある子どもを抱え、苦悩の日々を送っていた親子が、障害者のために考案された競技―ボッチャに出会った事で、希望を見い出し成長していく日々を見つめた番組です。

― ◇ ◇ ◇ ―

2組の親子がいました。14歳、中学2年生の高阪大喜くんの親子と松永楓さんの親子です。

大喜くんは生まれながら筋肉が固くなっていく病気である筋ジストロフィーで、日々マッサージが欠かせません。

大喜くんは生まれて間もなく、姿勢が悪いのに気付き、病名を告げられます。最初は大喜くんを歩く事ができる様にとご両親も頑張られます。しかし、ある時から在るがままの大喜くんを育てようと気持ちを変えられたそうです。

楓さんは脳性麻痺という難病を抱え、日常生活の殆んどにおいて、お母さんの介助を必要とします。

お母さんと一緒に学校に通い机に向う。生まれて直ぐに脳に障害がある事が判り、一時は一緒に死のうかと思ったそうです。

こんな2人がボッチャ(Boccia)という競技に出会ってから、外に出るようになったというのです。

ボッチャとは、障害者、取り分け脳性麻痺などの運動能力に障害がある競技者向けに考案された種目で、現在はパラリンピックの公式種目となっており、全世界で40か国以上に普及している競技スポーツです。

競技としては、個人戦、ペアないしは3人1組のチーム戦があります。

コイントスで決めた赤又は青の皮製のボールを手や足を使って、的であるジャック(jack)と呼ばれる白いボールにどれだけ近づけられるかを競うもので、車椅子カーリングのボール版といった感じ。

1ゲーム4エンドで行われます。ボールを動かす際、手や足を使えない重度の障害を持つ競技者の場合には、ランプスと呼ばれる補助器具を用いることもできる。

競技対象者は以下の区分に分かれます。
  • BC1〜BC2…脳性麻痺

  • BC3…脳性麻痺+α/投球不可のため、介助者によりランプスを使用し競技を行う者。(脳性麻痺以外の障害も含む)

  • BC4…重度障害/機能障害がある脳性麻痺以外の重度四肢麻痺者(頸髄損傷、筋ジストロフィーなど)

― ◇ ◇ ◇ ―

さて、ボッチャという競技を通して大喜くんと楓さんは一緒に練習するうちに直ぐに打ち解けました。

ボッチャの練習をする高阪大喜くん

ところが、大喜くんは病気が進行して右手で投げられなくなり、左手に替える事になります。それでも右手ほど遠くへは投げられません。

実戦に即した練習を行なう中で、大喜くんのお父さんが、大喜くんのコントロールの良さを活かして白いボールの前に壁を作る作戦を考案します。

一方で、楓さんはBC3クラスにあたるために介助の役をお母さんが担います。

楓さんが指示を出し、介助役のお母さんが調整して、ボールをランプスから的である白いボールに向けて転がす、といった投球動作なのですが、楓さんのお母さんにとっては、ずっと付きっきりだった生活で、甘やかしていたので自立心が育たないのではと心配されていました。

ボッチャという競技では、試合時間という制限の中で全て自分で判断して行動しなければなりません。

ましてや楓さんは介助であるお母さんに対し、作戦などの指示に時間がかかってしまいます。

でも、お母さんはボッチャという競技をやる上で、自覚が芽生えてくれたら…と期待をかけているようです。

― ◇ ◇ ◇ ―

東京2009アジアユースパラゲームズでのボッチャ競技の様子 東京2009アジアユースパラゲームズ・ボッチャ競技での松永楓さん

9月、東京2009アジアユースパラゲームズ(Tokyo 2009 Asian Youth Para Games)という大会が催されました。アジアのパラリンピック委員会加盟国35か国以上の14歳から19歳までの選手700人とコーチ、役員などのスタッフ300人、計1000人を迎えて行われる、国際障害者スポーツの祭典です。

大喜くんと楓さんにとっては初めてとなる国際大会の舞台です。

大喜くんの相手は日本チャンピオンの強豪、藤井くん。白いボールの前に壁を作る作戦で競り合いますが、6−7という接戦で敗退し、メダルは取れませんでした。

楓さんの初戦は序盤からなかなか思うように試合が運べません。加えて、追い込まれちゃうと余計弱気になっちゃいます。

しかし、最終セット―楓さんは大逆転で勝利すると、嬉しくて大号泣です。

続く試合、楓さんはイランの選手とメダルを掛けた試合に臨みますが、相手の選手に傾いた流れをなかなか変えられず、リズムに乗れません。

この1球にこそ!という時、楓さんは審判員に対し、相手の選手の介助の方が座っている椅子が投球の妨げになるから動かしてほしいとアピールをするのです。

東京2009アジアユースパラゲームズ・ボッチャの試合が終わって大号泣の松永楓さん

試合には敗退します。楓さんは悔し涙が溢れます。でも母は楓さんが自分の意思で椅子を動かすようアピールした事に娘の成長を感じて喜んでいました。

― ◇ ◇ ◇ ―

10月、地元の大会に大喜くんと楓さんのの姿がありました。そこに映る2人はボッチャという競技に出会った事で、試合で負ける悔しさや勝つ楽しみ、そして友達ができた喜びを感じている―

といった内容の番組でした。是非これからも頑張ってほしいですね!

― ◇ ◇ ◇ ―

※(参考)ボッチャの競技紹介→(障害児・者、肢体不自由児・者のフリーフォーラムから生まれた情報・コミュニティサイト『WAHHO!(ワッホー)』より)
※(参考)日本ボッチャ協会→


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posted by 御堂 at 01:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ
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