いつもお世話になっているマツノ書店(山口県周南市)から最新刊のカタログが贈られてきました―
今回の復刻本は何と、『防長回天史』。
『防長回天史』は言わずと知れた、長州藩を中心にして書かれた幕末より明治初年までに至った時代の風雲をしっかりとした史眼で捉えた優れものです。
中心となったのは、末松謙澄という豊前小倉藩出身の人物です。
末松謙澄は伊藤博文の知己を得て官僚となり、山県有朋に認められて陸軍省に出仕します。西南戦争の際、山県が西郷隆盛に宛てた降伏勧告の文章は末松謙澄が起草したものです。
また、伊藤博文の次女・生子と結婚し、伊藤が組閣した内閣では娘婿として“伊藤の知恵袋”として活躍しました。
そんな中で毛利家歴史史料編纂所総裁を委嘱され、この『防長回天史』の編纂事業に心血を注ぎます。
事業を開始したのが、明治30年(1897)、全12巻を完成したのが大正9年(1920)6月と―実に23年もの歳月をかけた大事業でした。
ただし、その間に毛利家歴史史料編纂所が事業の中止を打ち出したため、以降、末松謙澄は個人の文筆活動として完成に漕ぎ付けたのです。
その後、若干の修訂を加ええて再販本を刊行しようとした最中の大正9年10月に末松は急逝します。
修訂再販本は著作者を末松謙澄とし、その嗣子・末松春彦が発行者となって大正10年(1921)3月に刊行されました。
以降、4度の復刻を経て、今回5度目の復刻がマツノ書店さんより為されるのです。
実は、前回の復刻(平成3年=1991)の際は、マツノ書店さんの存在を知らず、気付いた時には刊行された後でした。史学科の時の学友は、情報を入手し購入していたので羨ましかった記憶があります。
まぁ実際には、定価が9万円でしたから、手が届く範囲ではなかったのですが…
その後、マツノ書店の会員とならせて頂き、リクエストを欠かさずしていたので、今回の復刻はすごく感激です。
これで既に購入している『定本奇兵隊日記』と共にじっくりと幕末・維新期の長州藩の動静を観る事ができるので嬉しい限りです。
※(参照)○マツノ書店、今回の復刻は?―『秋山好古』『秋山真之』『山懸公のおもかげ』
※(参照)○マツノ書店、今回の復刻は?―『大久保利通日記』&『西郷隆盛伝』
※(参照)○マツノ書店、今回の復刻は?―『復古記』
※(参照)○マツノ書店、今回の復刻は?―『七年史』・『会津白虎隊十九志伝』






